Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 健 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (10816846)
笹井 宏明 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任教授 (90205831)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥38,350,000 (Direct Cost: ¥29,500,000、Indirect Cost: ¥8,850,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | ドミノ反応 / フロー反応 / 電解反応 / 機械学習 / ベイズ最適化 / ガウス過程回帰 / 最少実験データ / one-pot合成 / フロー合成 / 電解合成 / 有機分子触媒 / 酸化 |
Outline of Research at the Start |
多機能触媒による精密有機合成反応開発で蓄積してきた反応支配因子データとA01, A02, A03班の精密有機合成知見データをフロー・電解合成の機械学習の説明変数として活用し、高品質学習データによる最少実験データでの最適反応条件予測と反応開発の加速化を試みる。フロー・電解合成の高品質な学習データと条件最適化アルゴリズムをデジタル有機合成データベースに提供すると共に、バッチ合成からフロー合成への変換をサポートする。フロー・電解ドミノ反応用固定化触媒モジュールの開発を基盤とする実践的データ駆動型フロー・電解ドミノ合成法の開拓による省人化・生産性向上・直截的分子変換プロセスの確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究題目「フロー・電解ドミノ反応開発を加速する機械学習の実装と応用」では、これまで情報科学分野でも研究例がほとんどなくフロー・電解合成分野では初となる『最少実験データ数と実験計画をハイブリッドした実践的機械学習』を基盤とする反応条件スクリーニング技術の革新を目指す。具体的には、これまで当研究グループの多機能触媒による精密有機合成反応開発で蓄積してきた反応支配因子データとA01, A02, A03班の精密有機合成知見データをフロー・電解合成の機械学習(ML: Machine Learning)の説明変数として活用し、高品質学習データによる最少実験データでの最適反応条件予測(可視化)と反応開発の加速化を試みる。フロー・電解合成の高品質な学習データと条件最適化アルゴリズムをデジタル有機合成DB(DataBase)に提供すると共に、バッチ合成(フラスコ等の反応容器を使用する従来法)からフロー合成への変換をサポートする。フロー・電解ドミノ反応用固定化触媒モジュール開発研究を展開し、実践的データ駆動型フロー・電解ドミノ合成法の開拓による省人化・生産性向上・直截的分子変換プロセスの確立を目指す。本年度は、ベイズ最適化を用いるカテゴリカルパラメータを含む6次元最適化によるビアリルフロー合成、ガウス過程回帰活用によるフロー電解シアノ化反応の予測収率と予測生産性の可視化(計画班内共同研究)を検討し、結果、最少試行回数にて、それぞれの反応条件最適化に成功した。リアクトIRを使用した炭素-炭素結合開裂反応中間体の同定にも成功し、得られたデータの学習データ化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フロー反応装置を用いるビアリル化合物の合成反応条件最適化に、機械学習(ベイズ最適化)を適用したところ、3つの反応条件を同時に探索し、獲得関数にLCBを用いることで、15回の試行からカテゴリカルパラメータを含む6つの反応条件(ミキサーの種類・二つの基質濃度・触媒量・流速・反応温度)を最適化することに成功した(Commun. Chem. 2022)。ガウス過程回帰活用によるフロー電解シアノ化反応の予測収率と予測生産性の可視化(計画班内共同研究)では、精度の高い推定モデルを構築することができた。本手法は人工糖の次世代型グリーン合成への展開が期待される(Org. Process Res. Dev. 2023)。
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Strategy for Future Research Activity |
一般的に固定化触媒モジュールは、均一系触媒を市販ポリマーに固定化しカラム充填することで調製できる。しかしながら既存法では、有機反応溶媒によるポリマー膨潤で触媒サイトがポリマー内部に埋没し固定化触媒の活性は低下する。また金属触媒を固定化した場合、配位子からの遷移金属の解離による失活や、解離した遷移金属による生成物の汚染が問題となる。そこで反応基質活性化に金属を必要としない有機分子触媒を簡易合成ナノ粒子の表層に有する固定化有機分子触媒モジュールを開発することで本問題を解決する。触媒分子の自己組織化を利用する本固定化法は、触媒活性サイトがナノ粒子の表層に放射状に露出し埋没しないため高活性な不均一触媒が簡便に調製できる。 ベイズ最適化によるパラレルスクリーニングにおいて、化学者の目利きを基本とするイニシャルデータセット生成に、ランダムサンプリングよりもLatin Hypercube Sampling等のアルゴリズムを利用する方が構築した推定モデルの精度が良いことが明らかとなりつつある。今後は他のアルゴリズムも検討し、それらアルゴリズムで生成される点群の性質と点群から推定した応答局面の推定制度を精査していく。 我々の最少学習データを基本とするベイズ最適化では、反応条件の最適化は迅速に行える。しかしながら、データが最少であることから反応を支配するパラメータ相関を検出する際、疑似相関が起きやすい。今後は真の相関が検出できるよう機械学習の適切なアンサンブル化を検討したい。
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