Project Area | Understanding multicellular autonomy by competitive cell-cell communications |
Project/Area Number |
21H05286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小田 裕香子 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70452498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 哲久 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50415105)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥102,310,000 (Direct Cost: ¥78,700,000、Indirect Cost: ¥23,610,000)
Fiscal Year 2024: ¥20,020,000 (Direct Cost: ¥15,400,000、Indirect Cost: ¥4,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2022: ¥20,020,000 (Direct Cost: ¥15,400,000、Indirect Cost: ¥4,620,000)
Fiscal Year 2021: ¥21,840,000 (Direct Cost: ¥16,800,000、Indirect Cost: ¥5,040,000)
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Keywords | 上皮細胞 / 細胞間接着 / Afadin / 細胞間接着誘導ペプチド / アクトミオシン / Hippo経路 / 細胞競合 / 上皮 / メカニカルストレス / 生理活性ペプチド / 組織修復 |
Outline of Research at the Start |
上皮細胞間の接着は、多細胞生命システムの構築と自律性に重要な役割を果たしている。代表者の小田は最近、上皮細胞間接着を誘導する新規ペプチドの同定に成功した。一方で、分担者の大谷は最近、細胞間接着が破綻した細胞が正常細胞に近接すると細胞競合によって排除されることを見いだした。ショウジョウバエにおいては細胞間接着構成因子の変異が細胞競合を起こすことが見いだされており、細胞間接着が細胞競合の制御に重要であることが強く示唆されている。本研究では培養細胞系および上皮傷害モデルマウスを用いて、「細胞間接着の動態・制御を起点とした細胞競合の動作機序」と「傷害・炎症に応答した細胞競合の制御機構」を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、細胞間接着が破綻した細胞が細胞競合によって排除されること、この時に周囲の正常細胞のアドヘレンス・ジャンクション、境界面に形成されるアクトミオシン束、またHippoシグナル伝達経路が重要であることを見出してきた。今年度はこれらの因子の遺伝学的上下関係を検討したところ、アクトミオシン束の形成を制御するROCKの下流でHippoシグナル伝達経路が正常細胞において作用すること、またHippoシグナル伝達経路の下流でアドヘレンスジャンクションの構成因子であるAfadinが敗者細胞の排除を実行することを見出した。さらに、Afadinによる敗者細胞の排除の制御機構について検討したところ、Afadinがクローンの境界面の安定化に働くことにより、敗者細胞を囲いこんで機械ストレスによる排除を促進する可能性が示唆された。 一方、細胞競合においては、初期がん細胞であるRas変異細胞は周りの正常細胞によって排除されることが明らかにとなっている。この細胞競合の分子メカニズムに関しては多くのことが明らかにされつつあるが、制御方法についてはほとんど着手されていない。細胞老化・個体の肥満により、Ras変異細胞が細胞競合で排除できなくなることが最近報告された(Igarashi et al., Nat. Comm. 2022)。すなわち、間質細胞からHGF(Hepatocyte growth factor)が分泌され、Ras変異細胞が基底側に潜り込み、より悪性化する。一方で、研究代表者らが同定した細胞間接着誘導ペプチドJIPが抗HGF活性を持つことを見出している。そこで、老化により低下した細胞競合能をJIPにより回復・制御することができるか、MDCKII細胞を用いて検討を行った。JIPの処理濃度やタイミングを検討し、JIPによって基底膜側への潜り込みが抑えられ、apical側への排除が促進されることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞間接着が破綻した細胞が排除される細胞競合現象に関わる基本的なシグナル伝達経路の概要の理解が進んだと共に、Afadinがクローン境界の安定化に関わるという新たな現象を見出した。また、細胞競合の制御については、より悪性化が進み排除ができなくなった細胞に関して、JIPによって細胞競合による排除が回復することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、敗者細胞の排除の実行にAfadinが必須であることを見出し、Afadinがクローン境界面の安定化を介して作用するとの作業仮説が得られた。今後、Afadinの構造機能解析を行い、Afadinによる敗者細胞の排除の実行の分子機構を解明したい。また、敗者細胞の排除にはHippoシグナル伝達経路が必要であることから、RNAseqによって共培養時に発現変動する遺伝子を探索し、細胞間接着が破綻した細胞の排除に関わる遺伝子、およびこの細胞競合現象の分子マーカーを同定することを目指す。 細胞競合の制御に関しては、前年度までに見出したHGF+JIPの実験系をより生理的な条件で検討を行う。家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis, FAP)は、がん抑制因子であるAPC に変異が原因であることが知られる。APC変異細胞の集団の中にRas変異細胞が出現すると、このRas変異細胞は基底側に潜り込むことが知られ、これにより悪性化が進行すると考えられる。そこで、APCノックアウト細胞に囲まれたRas変異細胞がJIPによって再び排除されうるか、すなわちJIPが細胞競合能を回復・制御可能かを、培養細胞およびマウスにて検証を行う。
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