Project Area | Hierarchical Bio-Navigation Integrating Cyber-Physical Space |
Project/Area Number |
21H05294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
依田 憲 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10378606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 誉士 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (70637933)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥119,990,000 (Direct Cost: ¥92,300,000、Indirect Cost: ¥27,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥22,880,000 (Direct Cost: ¥17,600,000、Indirect Cost: ¥5,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥22,620,000 (Direct Cost: ¥17,400,000、Indirect Cost: ¥5,220,000)
Fiscal Year 2022: ¥22,490,000 (Direct Cost: ¥17,300,000、Indirect Cost: ¥5,190,000)
Fiscal Year 2021: ¥29,120,000 (Direct Cost: ¥22,400,000、Indirect Cost: ¥6,720,000)
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Keywords | バイオロギング / ナビゲーション / 階層 / 鳥類 / 哺乳類 / 移動 |
Outline of Research at the Start |
複雑に変化する自然環境下において、野生動物はどのように外的・内的情報を抽出・処理して階層ナビゲーションを行うのか?本研究では、この学術的問いに対して、野生動物の中でも特に機動力に優れた大型の鳥類と哺乳類を対象として、行動や情報処理にかかるコストや、行動による利益を実測して、階層ナビゲーションを支える行動ダイアグラムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本計画研究では、野生動物の中でも特に機動力に優れた大型の鳥類と哺乳類を対象として、行動や情報処理にかかるコストや、行動による利益をバイオロギングにより実測して、階層ナビゲーションを支える行動ダイアグラムを解明する。本年度は、夏から秋にかけて海鳥類の野外調査を行い、新潟県粟島で繁殖するオオミズナギドリの成鳥79羽にGPSや加速度などを記録するロガーを装着した。さらに、青森県蕪島に生息するウミネコの成鳥44羽と巣立ち幼鳥23羽にGPS等を記録するロガーを装着し、成鳥36羽と幼鳥23羽からは年間を通した長期データを得ている。また、海鳥類の陸上・海上での活動をドローンから映像記録することによって、個体数の推定や群れ移動についてのデータを得た。バイオロギングデータの解析に関しては、ドローンにより定点観測している領域から移出入する個体をバイオロギングデータから推定し、状態空間モデルを用いて統合することによって総個体数を推定する手法を開発した。また、海鳥類から得られたGPSデータから、ミクロスケールに働く力学的な飛翔制約が、数100kmのマクロスケールで表出する移動経路をつくりだすことを明らかにした。研究領域内の融合研究の代表的な成果としては、A01班と行った磁力制御環境下での海鳥の神経活動計測、A02班と行ったχ(カイ)ログボット(AIロガー)による自由活動下の海鳥への行動介入、異常値検出ログボットを用いた鳥類の新奇行動の発見などが挙げられる。成果の一部をまとめ、学会発表及びトップ国際誌での論文発表(PNAS、Nat Comm、Anim Behav等)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鳥類に関しては、当初の計画以上に行動データを得ることができた。特に海鳥類に関しては、100羽以上から行動データを取得することができ、既に開始しているビッグデータ解析に用いていく。また、これまでは別個に用いられてきた、ドローンによる映像データと、バイオロギングデータを、状態空間モデルで繋ぐ新手法の開発に成功した。先端的な計測・解析手法を組み合わせることにより、生態学における新しい技術的展開が期待できる。さらに、A02班と行ったχ(カイ)ログボットは予想以上の進展を遂げており、異常検出機能や介入機能などの新機能を搭載することに成功し、フィールドでの実証実験を行うことができた。また、当初目標の一つであった、ミクロスケールの力学的制約が、マクロの移動経路を表出させることを示すことができた。さらに、成果の一部をトップ誌(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表することができた。これらを鑑みて、おおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
野外行動データの取得に関してはおおむね順調に進んでいるため、引き続き野外実験を行っていく。また、既に開始している、新型ロガー(χログボット)の開発とフィールドでの稼働、および得られたデータの解析(A02班との共同)をさらに進めていく。 (1) バイオロギングシステム開発:A02班と共同して、AI搭載ロガーの開発を進める。R6年度は、野生動物が何をトリガーにして行動を変化させるのか、環境と行動の間の因果関係を明らかにするため、R5に続き介入機能を搭載したχログボットの開発を進める。具体的には、任意のタイミングで捕食者の音声を再生し、鳥の行動変化(GPS、加速度)と映像を記録する機能を実装する。(2) バイオロギングシステム稼働:鳥類や哺乳類に対して、χログボットと加速度GPSロガーの装着を行い、階層ナビゲーションに関わる外的・内的要因とその因果関係について明らかにする。また、R5に完成した、加速度を常時作動させておき、異常値を検出した際に映像記録を開始するログボットを使い、新奇行動の記録を行う。さらに、鳥類集団をドローンで撮影し、そこにバイオロギングデータを組み合わせることで、個体群構造や集団ナビゲーションを推定する。(3) 階層ナビゲーション解析:(2)で得られたデータに加え、これまでに得られている移動データをA02班と共同して解析する。ストレスや性格などの内的要因と、海洋環境などの外的要因、そして生物ナビゲーションとの関係を明らかにする。また、要因間の関係をパス図や数理モデルとして記述し、強化学習や逆強化学習の枠組みを当てはめることで、動物がどの程度周囲の環境を把握しているのか等を推定する。さらに、個体や群れの離散集合過程や資源の獲得過程を対象として、個体間インタラクションのモデル化を行う。群れの形態・状態変化における条件や予測を行うモデルを構築し、階層構造としての個体と群れの理解を目指す。
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