Project Area | Digital biosphere: integrated biospheric science for mitigating global environment change |
Project/Area Number |
21H05319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 知道 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60392958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立入 郁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), グループリーダー (30336185)
羽島 知洋 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), グループリーダー代理 (40533211)
相田 真希 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), グループリーダー (90463091)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥108,810,000 (Direct Cost: ¥83,700,000、Indirect Cost: ¥25,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥23,400,000 (Direct Cost: ¥18,000,000、Indirect Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2023: ¥23,530,000 (Direct Cost: ¥18,100,000、Indirect Cost: ¥5,430,000)
Fiscal Year 2022: ¥23,530,000 (Direct Cost: ¥18,100,000、Indirect Cost: ¥5,430,000)
Fiscal Year 2021: ¥14,560,000 (Direct Cost: ¥11,200,000、Indirect Cost: ¥3,360,000)
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Keywords | 物質循環 / 海洋生態系 / 陸域生態系 / 生態系モデル / 順化 |
Outline of Research at the Start |
陸域・海洋生態系は気候変動によって生じる環境変動を緩和する作用を持つ一方で、生態系物質循環と気候変動の間に存在する正のフィードバックにより、環境変化をさらに悪化させる危険性もある。そこで持続的な社会を構築するためには、過去・現在・将来における生態系環境応答が気候変動に与えるインパクトを解明しておくことが非常に重要である。そこで本研究では、①地球システムモデルによるシミュレーション実験、②マルチ地球システムモデル出力結果の解析を行い、グローバルな生態系環境適応が気候へ与えるフィードバックを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
陸域生態系モデルは、令和5年度までに単体VISITにテスト導入した光合成の温度とCO2に対する順化式(温度: Kumarathunge et al., 2019, CO2: Poorter et al., 2021)をMIROC-ES2L内のVISITeに移植した。その際に、Monsi & Saekiによる群落光合成式を、Farquhar von Caemer Ballの生化学モデルに変更し、光合成速度の時空間分布が変更前からそれほど変わらないことを確認した。そして炭素収支を平衡させるためのスピンアップ実験を数百年間に渡って行った。リン循環については、令和5年度までに単体VISITに導入した式を、MIROC-ES2L内VISITeに移植をし、リン酸循環が安定して計算されるかを計算ステップごとに確認するとともに、窒素およびリンが光合成にどのように影響を与えるかについて、既往の研究から検討した。 海洋生態系モデル開発では、動植物プランクトン各1変数のFlexPFTのチューニングを完了し、全炭酸やアルカリ度といった炭素循環プロセスを結合した。海洋のBGCスーパーサイト:K2、HOT、BATSで得られた基礎生産、クロロフィル量等と比較解析し、従来のモデルに比べ再現性が飛躍的に向上したことが確認された。 全体としては地球システムモデルの改良および実験に関し、北大農学部にて開催のC02班会議に参加、議論を行った。C02班の研究開発のため、博士学生を海洋研究開発機構に招致し、地球シミュレータ上での地球システムモデル実行方法の習熟補助を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
陸域・海洋生態系モデルでは着々と実験の準備が整ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
テーマ1 地球システムモデルによるシミュレーション実験 陸域生態系については、順化の式を移植したMIROC-ES2Lで、SSP126,370,585のシナリオについて2015-2100年までのシミュレーション実験を行い、順化on/off間の気候変動の違いを調べる。また陸域のリン循環を追加した単体VISIT-CNPモデルの、MIROC-ES2Lへのコード移植およびスピンアップ実験を行う。そのほかに、対流圏オゾンの光合成影響や一酸化二窒素N2O収支を取り入れたMIROC-ES2Lについてのモデル実験の可否の検討を行う。 海洋生態系に関しては、令和5年度に開発した渦許容解像度レベルの全球モデルCOCO-FlexPFTモデルについて、これまでの植物・動物プランクトン各1グループから、実海域の生態系を再現するために植物・動物プランクトン 各3グループに増やし、チューニングを行う。また、海氷下における生物生産の再現性を高めるために、特に北極海の海氷域における短波光透過と植物プランクトンの動的適応について検証を行う。 テーマ2 マルチ地球システムモデル結果解析 昨年に引き続き、気温変化をはじめとする環境変化に対する陸域生態系・炭素循環の応答を複数地球システムモデルのシミュレーション結果を用いて解析する。
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