Project Area | Interstitial literacy: Integrated understanding of disease pathogenesis based on interstitial cell diversity. |
Project/Area Number |
22H05064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
七野 成之 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 講師 (70822435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾松 芳樹 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (80437277)
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Project Period (FY) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥31,980,000 (Direct Cost: ¥24,600,000、Indirect Cost: ¥7,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
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Keywords | 複雑系間質ネットワーク / 肺病態生理 / 骨髄病態生理 / 間質細胞 / 肺間質ネットワーク / 骨髄間質ネットワーク / single-cell RNA-seq |
Outline of Research at the Start |
多様な細胞集団で維持される間質は、生体の恒常性維持や病態発現において重要な役割を有するが、多様な複雑系細胞クロストークで構成される間質性細胞ネットワークの、異なる臓器間の共通性や差異、相互作用は全く明らかではない。本研究提案では、肺及び骨髄に着目し、各種遺伝子改変マウスや高感度scRNA-seq解析法を用い、定常状態及び肺傷害時における肺-骨髄間の間質性細胞ネットワークの変化と相互作用の実態、生理的意義、細胞・分子機構の解明を目的とする。本研究の達成により、間質性細胞ネットワーク同士の連関という、生体の重要な複雑系の一端が解明され、臓器間相互作用を予測可能とするための基礎を提供しうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
多様な細胞集団で構成される間質は、生体の種々の臓器の恒常性維持や病態発現において実質と同等かそれ以上に重要な役割を担っている。間質において、間葉系細胞や血球細胞を始めとした多様な細胞が織りなす相互作用の、間質機能の維持における重要性が解明されつつあるが、多様な複雑系細胞クロストークで構成される間質性細胞ネットワークの、異なる臓器間の共通性や差異、ネットワーク同士の相互作用は全く明らかではない。本研究提案では、間質がその機能維持において重要な肺及び骨髄に着目し、両者の間質性細胞ネットワークの実態、生理的意義、細胞・分子機構の解明を目的とした。 2023年度は、生物種横断的な疾患肺の間質ネットワークの差異、及び骨髄間質の恒常性維持に係わる細胞や分子につき解析を実施した。ヒト間質性肺炎検体70例、各種マウス肺傷害モデル、微細粒子によるラット間質性肺炎モデル、ブタ間質性肺炎モデルにつきscRNA-seq解析を実施した。その中で、ヒトの予後不良肺線維化病態で特異的に見出された肺胞上皮細胞は、ラットおよびブタ疾患モデルでは同様の遺伝子signatureをもつ細胞が見出されたが、マウスではいずれの疾患モデルにおいても見出されなかった。 骨髄に関し、CAR細胞は骨髄造血や造血幹細胞の維持に必須のサイトカインCXCL12とSCFの主要な産生細胞である。様々な疾患において、CAR細胞の産生するサイトカインの低下が認められる。CAR細胞の産生するCXCL12の造血幹細胞に対する機能の詳細を明らかにするため、CXCL12を欠損させたCAR細胞と欠損していないCAR細胞を区別できるような遺伝子改変マウスを作製し解析した。その結果、CAR細胞が産生するCXCL12が骨髄内で造血幹細胞を誘引し、造血幹細胞、特に免疫細胞をより多く産生する造血幹細胞の維持に必須の役割を果たすことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、生物種横断的な疾患肺の間質ネットワークの差異、及び骨髄間質の恒常性維持に係わる細胞や分子につき解析を実施した。ヒト間質性肺炎検体70例、各種マウス肺傷害モデル、微細粒子によるラット間質性肺炎モデル、ブタ間質性肺炎モデルにつきscRNA-seq解析を実施した。その中で、ヒトの予後不良肺線維化病態で特異的に見出された肺胞上皮細胞は、ラットおよびブタ疾患モデルでは同様の遺伝子signatureをもつ細胞が見出されたが、マウスではいずれの疾患モデルにおいても見出されなかった。この疾患特異的上皮細胞は線維芽細胞やマクロファージと強く相互作用し、とくに線維化や組織リモデリングに関与する相互作用が強いことが見出された。またヒトの予後良好な検体で特異的に増加しているマクロファージも見出された。 骨髄に関し、CAR細胞は骨髄造血や造血幹細胞の維持に必須のサイトカインCXCL12とSCFの主要な産生細胞である。様々な疾患において、CAR細胞の産生するサイトカインの低下が認められる。CAR細胞の産生するCXCL12の造血幹細胞に対する機能の詳細を明らかにするため、CXCL12を欠損させたCAR細胞と欠損していないCAR細胞を区別できるような遺伝子改変マウスを作製し解析した。その結果、CAR細胞が産生するCXCL12が骨髄内で造血幹細胞を誘引し、造血幹細胞、特に免疫細胞をより多く産生する造血幹細胞の維持に必須の役割を果たすことを明らかにした。このように、生物種特異的な間質ネットワークの差異が見出され、骨髄のネットワークの実態についても解析が進んでいることから、当初の研究目的の達成に向けて順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度までの結果に基づき、肺間質ネットワークに関しては、ブタやラット、ヒト疾患検体を用いたオルガノイドや遺伝子改変ラット等を用い、とくに疾患特異的な肺胞上皮細胞-間質細胞・マクロファージとの相互作用ネットワークと、疾患特異的上皮細胞の誘導機構の解析をすすめる。また疾患の予後良好さと相関するマクロファージについても、骨髄からの動員機構について遺伝子改変マウス等を用いて解析をすすめる。肺ー骨髄の間質ネットワークの相互作用の理解を目指し、領域の推進に貢献する。
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