Project Area | The reason why microbes are moving: The dawn of behavioral microbiology |
Project/Area Number |
22H05068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 義智 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30571864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 和貴 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (40799194)
下地 博之 琉球大学, 農学部, 准教授 (50726388)
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Project Period (FY) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥53,560,000 (Direct Cost: ¥41,200,000、Indirect Cost: ¥12,360,000)
Fiscal Year 2024: ¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
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Keywords | 行動学 / 微生物 / べん毛 / 遺伝的基盤 / 進化 |
Outline of Research at the Start |
ホソヘリカメムシは土壌中からBurkholderia共生細菌を獲得するが、土壌には数10万種もの細菌が生息していることを考えると、この共生特異性は驚異的である。この特異性は一体どのように決まっているのだろうか?これまでに我々は、ホソヘリカメムシの消化管には細菌選別器官が存在すること、この選別器官を突破するために共生細菌は新規運動性「ドリル戦車型べん毛運動」を発達させていることを明らかにしてきた。本研究では、選別器官内の物理環境の解明、ドリル戦車運動時の遺伝子発現解析、およびドリル運動不全株のスクリーニングを実施し、共生特異性の肝となる「ドリル戦車型べん毛運動」の遺伝的基盤と進化過程を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究領域では、我々独自の発見である共生・病原性細菌の「ドリル戦車型べん毛運動」に的を絞り、宿主体内(即ち”in vivo”)における動きを観察し、そのin vivo における動作原理を解明し、種間比較および遺伝子移植実験を通してその進化原理を解明することを具体的な達成目標とする。具体的には以下のような6つの研究を遂行する:① In vivoの動きを視る(高感度顕微鏡による微細観察);② In vivo運動を再現する(マイクロデバイス開発);③ In vivo運動の動作原理を解明する( シミュレーション);④ In vivoの物理的環境を解明する(粘性分析・化学分析);⑤ In vivo運動の遺伝的基盤を解明する(オミクス解析・逆遺伝学);⑥ In vivo運動の進化を解明する(細菌の種間比較・遺伝子移植)。本計画研究では、これら6つの領域達成目標のうち目標④‐⑥を担当し、ホソヘリカメムシのBurkholderia共生細菌に見られるドリル戦車型べん毛運動の遺伝的基盤およびその進化プロセスの解明を目指す。具体的には、Burkholderia共生細菌のゲノム比較や遺伝子発現比較、トランスポゾンを用いた網羅的変異株スクリーニング(Tn-seq)、べん毛形成に関わる遺伝子変異株のスクリーニングを行い、ドリル戦車型べん毛運動の遺伝的基盤を解明する。 本年度は、物理シミュレーションや顕微計測の結果からドリル運動に関連すると推測されたフックとその周辺のべん毛パーツについて解析を開始した。ドリル運動ができる共生Burkholderias種とドリル運動ができない非ドリル種とでフックの構造比較を行い、またこれら細菌種間でフックの交換実験を行った。その結果、これらべん毛パーツがドリル運動の発現において重要な役割を果たすことが明らかとなってきた。また本年は、共生細菌がドリル戦車で突破する狭窄部(CR:Constricted region)の遺伝子発現解析をすすめ、その発現遺伝子の網羅的解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
べん毛ドリル運動を司る遺伝子の特定に大きく近づき、順調な成果を得ることができたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
領域内の他の計画班とも協力し、べん毛ドリル運動に関わると考えられる他のパーツについても調査を進める。また、CRの発現遺伝子についても解析を進め、宿主昆虫側の細菌選別機構の進化についても調査を進める。
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