Elucidating the mechanisms of chloroplast collapse and zombification
Project Area | Plastid reprogramming dynamics |
Project/Area Number |
22H05078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
八丈野 孝 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (10404063)
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Project Period (FY) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥23,920,000 (Direct Cost: ¥18,400,000、Indirect Cost: ¥5,520,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | オオムギうどんこ病菌 / 色素体 / プラスチド崩壊 / 葉緑体 / クロモプラスト / グリーンバイオニシア / ゾンビ化 / うどんこ病菌 / 農奴化 |
Outline of Research at the Start |
高等植物の色素体は絶対寄生性病原菌との攻防の主戦場である。侵入された場合、表皮細胞においては貯蔵デンプン奪取のために一部の色素体は崩壊させられるが、侵入部位周辺の葉肉細胞においては防御の切札としての黄化が阻止され、葉緑体分化は強制的に維持されたまま、つまりゾンビ化した状態で光合成産物の供給を強いられる。病原菌による色素体の崩壊とゾンビ化の仕組みはおろか、隣接する細胞間で相反する制御を受ける分子メカニズムも全く不明である。本研究では低侵襲性シングルセル解析技術を基盤技術として、病原菌による色素体の崩壊・ゾンビ化の多細胞間制御のメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
高等植物の色素体は絶対寄生性病原菌との攻防の主戦場である。侵入された場合、表皮細胞においては貯蔵デンプン奪取のために侵入部位付近の色素体は崩壊させられる。一方、侵入された表皮細胞周辺の葉肉細胞においては、防御のための黄化が阻止され、葉緑体に分化した状態のままにさせ、光合成産物の供給を強いられ続けゾンビ化する。葉緑体が維持させられている領域のことをグリーンバイオニシア領域と読んでいる。病原菌による色素体の崩壊とゾンビ化の仕組みはおろか、隣接する細胞間で相反する制御を受ける分子メカニズムも全く不明である。本研究では、色素体の崩壊が実際にどのように起きているのか、ゾンビ化した葉緑体がどのような構造をしており光合成活性はどの程度維持されているのかを明らかにした。 うどんこ病菌が侵入した表皮細胞、その周辺のグリーンバイオニシア領域の葉肉細胞、黄化した組織、それぞれの色素体の構造を明らかにするために、まず、各領域の境界がはっきりとするようなグリーンバイオニシア誘導条件を最適化した。広域走査電子顕微鏡により各領域の色素体の構造を解析したところ、グリーンバイオニシア領域の色素体は、葉緑体と同等の構造をしているもののチラコイド膜が特徴的な構造をしていることが明らかになった。Imaging-PAMを用いて各領域の構造性活性を測定した結果、グリーンバイオニシア領域において光合成が正常に行われていることがわかった。これらのことから、葉緑体の構造と光合成活性にはっきりとした相関があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各領域におけるトランスクリプトーム、メタボローム、ホルモノーム、そしてプロテオーム解析を計画していたが、担当するべき博士研究員の採用が叶わなかったため現在も解析途上である。また、グリーンバイオニシア形成にサイトカイニンが関与すると強く示唆されているため、サイトカイニン応答プロモーターであるTCSv2にtdTomatoを連結した遺伝子を発現させた形質転換体を作製したが期待する蛍光強度を示さなかった。TCSv2はシロイヌナズナやトマトでの報告はあるが、イネ科植物では例がない。イネにおいては人工的に作成されたTCSnが使われた実績があるため、現在はTCSn:GFPのコンストラクトを作製中である。 一方で、グリーンバイオニシア形成後の各領域における色素体の構造および光合成活性の測定が順調に進み、むしろ当初よりも早くデータを得ることができた。さらには、色素体崩壊の広域走査電子顕微鏡解析においては、担当技術員がうどんこ病菌の電子顕微鏡解析の経験者であったため、想定をはるかに超える進捗を生み出すことができている。以上を総合すると、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
病原菌侵入細胞における色素体崩壊の電子顕微鏡解析の結果から、どのようなメカニズムで崩壊するのかを見出し、分子生物学的なアプローチで解明する。色素体崩壊に関与すると考えられるタンパク質については、侵入時のプロテオーム解析によりいくつか候補を得ているので、電子顕微鏡の結果と勘案して候補を選定する。引き続き、オミクス解析を進める。サイトカイニンの影響を時空間的に解析するために、サイトカイニン応答プロモーターTCSnに蛍光タンパク質遺伝子を連結した形質転換体を作製してサイトカイニンシグナルを可視化する。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)