計算科学の利活用による未知生合成経路の解明と未踏天然物の創出
Project Area | Systems biosynthetics based on accumulation, prediction, and creation of biological reactions |
Project/Area Number |
22H05125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 真伸 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00271916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 玄 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (80782648)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥85,670,000 (Direct Cost: ¥65,900,000、Indirect Cost: ¥19,770,000)
Fiscal Year 2024: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
Fiscal Year 2022: ¥25,220,000 (Direct Cost: ¥19,400,000、Indirect Cost: ¥5,820,000)
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Keywords | 生合成経路解析 / 理論生合成解析 / 生合成 / 理論計算 |
Outline of Research at the Start |
植物や微生物が作り出す『天然物』は人類社会を支えてきた。例えば、植物や菌類が生産するテルペン化合物は、医薬品・接着剤・電子材料などあらゆる分野に応用されている。これは、天然物が多種多様な構造と機能を提供してきたからに他ならない。言い換えれば、新奇天然物の発見は新材料・医薬品の開発に直結する。一方、天然からの新奇天然物の発見は年々困難となり、科学者に打開策が求められている。そこで本研究では、本領域の生合成実験科学者と綿密に協力しながら理論研究を推進し、天然物の巧みな『ものづくり』の仕組みを解明し、有機化学・天然物化学における学理・学術を提供するとともに、未踏天然物・非天然物の創出法を提供したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物や微生物が作り出す『天然物』は人類社会を支えてきた。例えば、植物や菌類が生産するテルペン化合物は、医薬品・接着剤・電子材料などあらゆる分野に応用されている。これは、天然物が多種多様な構造と機能を提供してきたからに他ならない。言い換えれば、新奇天然物の発見は新材料・医薬品の開発に直結する。一方、天然からの新奇天然物の発見は年々困難となり、科学者に打開策が求められている。本研究では、理論計算によって得られた情報に基づき酵素・生合成経路を再設計・改変し、様々な実験グループとの共同研究を通して、天然には存在しない未踏天然物・非天然物の創出を目指している。本年度は、初年度となり、超連続反応である生合成経路解析のための理論解析手法の確立と、本手法を用いた生合成理論解析に取り組んだ。具体的には、いくつかのテルペン環化反応などの酵素反応・生体反応について、反応経路の可視化に基づく、不安定中間体・遷移状態・軌道相互作用の系統的な探索を行い、Phomoidride (JACS 2022)、Spiroviolene (Chem. Pharm. Bull 2002)、Asperterpenol (JOC 2002) 、Pheniroquesin (JACS Au in press) などの未開目であった生合成経路/機構に関して、既に全容解明に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は学術変革研究の初年度となり、まずは高精度量子化学計算を用いた、複雑系生合成経路解析のための解析手法の確立を主な研究課題とした。解析手法の確立は順調に進み、既に本手法を用いた実際の生合成経路解析を行ったところ、これまで未解明であったいくつかの生合成経路解析の初の全容解明に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
多種多様な天然物の骨格は、植物や微生物内に存在する種々の酵素内部での複雑な多段階連続反応によって、正確に、短時間で、効率的に生合成される。これらの酵素は、骨格構築酵素と修飾化酵素に分類することができる。これらの酵素群の機能を自在に設計・改変し、組み合わせることができれば、新たな骨格・構造を持つ化学空間が開拓可能で、天然化合物ライブラリーの拡充が期待できる。そのためにも、酵素群の反応 制御機構の深い理解が必要である。 そこで、今後は益々、本領域の生合成実験科学者と綿密に協力しながら理論研究を推進し、天然物の巧みな『ものづくり』の仕組みを解明し、有機化学・天然物化学における学理・学術を提供するとともに、未踏天然物・非天然物の創出法を提供したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(22 results)