Project Area | Chiral materials science pioneered by the helicity of light |
Project/Area Number |
22H05135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
岡本 裕巳 分子科学研究所, メゾスコピック計測研究センター, 教授 (20185482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 絢介 分子科学研究所, メゾスコピック計測研究センター, 特任助教 (00846115)
Sadgrove Mark 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 准教授 (40625000)
AHN HyoYong 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 新分野創成センター, 特任助教 (70844348)
成島 哲也 分子科学研究所, メゾスコピック計測研究センター, 特別訪問研究員 (50447314)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥153,790,000 (Direct Cost: ¥118,300,000、Indirect Cost: ¥35,490,000)
Fiscal Year 2024: ¥30,030,000 (Direct Cost: ¥23,100,000、Indirect Cost: ¥6,930,000)
Fiscal Year 2023: ¥30,420,000 (Direct Cost: ¥23,400,000、Indirect Cost: ¥7,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥33,670,000 (Direct Cost: ¥25,900,000、Indirect Cost: ¥7,770,000)
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Keywords | キラル顕微光学イメージング / キラル光圧 / キラル秩序創出 / 円偏光発光 |
Outline of Research at the Start |
超螺旋光によるキラルな秩序の発生を支配する物理的・化学的原理・法則,階層をまたいだキラル秩序生成の可能性を追究する。研究の基盤となるキラル光学イメージング手法を高度化し,領域内共同研究に資する。キラル秩序生成の原動力・駆動力となりうるキラルな光圧の基盤的学理を構築する。さらに,キラリティーを生む相互作用を検出する動的分光手法を開発し,系への超螺旋光照射に伴うキラル秩序の発生,動的な挙動に関する情報を得る。これらの基盤の上で,超螺旋光によるキラルなナノ構造物質創出を追究し,その機構を解明する。また,超螺旋光の特性に基づく円偏光発光の基本原理の確立,特性向上,高度化を目指した研究を推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,(1) キラル物質・キラル秩序を評価する基盤となる,キラル光学イメージング手法の発展,(2) 金属ナノ構造と円偏光によるキラルナノ・マイクロ構造の創出,及び (3) キラル秩序を誘起する基盤的要因としての,螺旋性を持つ光による光圧の特性解明,に関する実験研究を主として実施した。 (1) 本年度は主として(A) イメージセンサーを用いた高精度円偏光二色性(CD)顕微鏡の開発,及び (B) キラル光誘起力顕微鏡の開発を進めた。(A)では円偏光変調した光を試料に照射し,そのイメージをイメージセンサーで観測し,復調することでCDイメージを得る方式を試みている。現時点で,高感度でCD信号を得ることがまだできていないが,その要因が判明しつつある。(B) では,高い空間分解能を可能とする原子間力顕微鏡を基盤として光学イメージングを可能とする,光誘起力顕微鏡の手法を用い,左右円偏光で得られるイメージの差から,試料のキラル光学効果によるナノスケールでのイメージングを実現し,成果を論文公表することができた。 (2) アキラルな金属ナノ直方体粒子に円偏光を照射してキラル近接場を発生させ,その光場で高分子の光重合反応を起こさせることで,渦状構造が得られることを示した。ナノスケールのキラルな構造が数μmに及ぶ渦構造が得られ,その生成メカニズムを解明し,成果の論文公表(in press)に至った。 (3) ナノ光ファイバーの表面上キラル金属微粒子の輸送データの解析を進め,ファイバーモードの円偏光を用いたキラル粒子操作が可能であることを確かめた。アキラルな球状金ナノ微粒子の場合,モード偏光は粒子の運動に影響がないことを確認した。この結果に関する論文を間もなく投稿する予定である。また,ナノ光ファイバー上のアキラル金微粒子の操作・応用に関する結果を2報の論文で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD顕微鏡の開発は初年度の計画に従って進めた。キラル光誘起力顕微鏡は当初進展が未知であったが,想定を超える成果が上がり,論文公表に至った。円偏光による光圧の特性解明については,ナノファイバーを用いたキラル光散乱力によりキラル金微粒子の操作(輸送)を実現して結果の解析もできており,間もなく論文を投稿する段階に来ている。また,微粒子のキラル性を選別する光学トラップの準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
キラル光学イメージング手法の開発は引き続き進め,試料の測定を含む領域内の共同研究に用いる。キラル光誘起力顕微鏡は,さらなる特性向上を目指した開発を行う。それらの研究成果を基盤として,円偏光発光システムの構築と基本原理の確立を目指して実験・解析を進める。キラルな光圧の特性の解明を継続し,また金属ナノ構造上に生成するキラルなプラズモン場の構造について,実験・理論両面から検討する。キラルな光圧に関しては,ナノ光ファイバー上のキラル金微粒子の光散乱力による操作について論文公表を目指す。またナノファイバー上のキラル金微粒子のキラル性を選別する光学トラップの実現に向けて,実験方法を検討・精査する。対向光ファイバーモードを用いて,キラル光の光圧のバランスにより,キラル金微粒子の閉じ込めを目指す。 それらの結果を基盤として,キラルでない構造にキラルな光を作用させることで,キラル構造を構築する取り組みを実施する。
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