Project Area | Mechanical self-transformation of living systems |
Project/Area Number |
22H05166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柊 卓志 京都大学, 医学研究科, 教授 (00512477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 尚文 京都大学, 医学研究科, 助教 (20773071)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥88,530,000 (Direct Cost: ¥68,100,000、Indirect Cost: ¥20,430,000)
Fiscal Year 2024: ¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
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Keywords | 発生生物学 / 哺乳類初期発生 / 力学ー化学相互作用 / 組織パターン形成 / 自律的秩序化 |
Outline of Research at the Start |
生物の発生は自律的に秩序、すなわち機能的な空間パターンを獲得する過程である。この自律的秩序化において、空間構造に依存した力作用の不均一性が細胞運命を制御し、組織のパターン形成に重要な役割を担っていることが示されてきた。一方で、空間的に一様な細胞の集合塊が、対称性を破り組織パターンを形成する機構には未だ不明な点が多い。本研究では、細胞塊の対称性の破れとそれに続くパターン形成を可能にする、力学作用と生化学反応の相互作用を明らかにし、胚発生の普遍的な設計原理を導く。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物の発生は自律的に秩序、すなわち機能的な空間パターンを獲得する過程の連続である。この自律的な秩序化において、空間構造に依拠した力作用の不均一性が細胞の運命を制御し、組織パターン形成に重要な役割を担っていることが示されてきた。一方で、空間的に一様な細胞の集合塊が自発的に対称性を破り、組織パターンを形成する機構については未解明な点が多く残されている。本研究ではマウス胚に見られる細胞塊の対称性の破れとパターン形成をモデルに、力学作用と生化学反応、それらの相互作用を明らかにし、生物発生の普遍的な設計原理を導くことを目指している。 本年度は、マウスの着床前胚の内部細胞塊(ICM)を単離して、エピブラストが内側に、原始内胚葉が外側に分離するパターン形成過程をライブイメージングし、そのダイナミクスを定量的に解析することに成功した。このパターン形成にアクチン細胞骨格の再編成と細胞極性が関与することも見出した。さらに、細胞の力学的性質として皮質張力を計測し、エピブラストと原始内胚葉では異なる皮質張力を示すことも明らかにした。 また、着床期胚発生における、エピブラストのパターン形成を明らかにするための準備を整えた。独自の三次元培養および光シート顕微鏡を用いたライブイメージング系を開発し、エピブラスト特異的な蛍光標識を可能にする遺伝子組換えマウス系統を確立した。 以上より、本年度は、本研究計画の中核をなす実験設定、および基礎となるデータを取得することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の中心的題材であるICMとエピブラストのパターン形成、それぞれについて十分な進捗を得た。特に、分子、細胞、組織の階層をまたいでICMのパターン形成を可能にする物理モデルの構築を行なっており、モデル化に必要な変数の情報を実験から得たことは大きい。 また、着床期の胚発生については、その技術的困難から解析が進んでこなかったが、独自のイメージング技術と機械学習を用いた画像解析により、一細胞レベルでのダイナミクスを得つつある。これらの情報をもとに、新たな物理理論の導入につながることが期待され、翌年度以降の研究が大いに加速することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
興味深いことに、マウス初期胚のICMのパターン形成において、エピブラストと原始内胚葉の細胞数の比率が一定に調整され、パターン形成におけるロバストネスを見出している。このロバストネスを可能にする、力学―化学相互作用を明らかにし、さらにはマウス以外の哺乳類での比較検討も行う。 エピブラストのパターン形成においては、細胞配列の定量的な三次元解析を行い、極性に着目した新しい物理モデルの提唱を目指す。特に頂端-基底極性について解析を行い、エピブラストの発生、成熟における極性の重要性を明らかにする。
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