Project Area | Genomic dynamics underlying the plastic hermaphroditism in plants: the basis of exploratory reproductive adaptations. |
Project/Area Number |
22H05178
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 哲弘 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90727702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 大輔 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (90609439)
越阪部 晃永 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (70632107)
|
Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥89,830,000 (Direct Cost: ¥69,100,000、Indirect Cost: ¥20,730,000)
Fiscal Year 2024: ¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
|
Keywords | リガンド-受容体 / 受精シグナル因子 / 花粉管誘引 / タンパク質間相互作用構造 / ライブイメージング |
Outline of Research at the Start |
多くの生物では、卵子と精子におけるリガンド-受容体の1対1関係により自他認識がなされ受精が成立する。しかしながら、着生した環境に制限される植物では、自他認識因子が目まぐるしく変遷していることが明らかになりつつある。本研究では、受精過程の自他認識リガンド-受容体群の新機能創出を担う分子間相互作用を解明すること、双子葉・単子葉植物間、さらに裸子植物とのゲノム横断的解析による受精因子の変遷過程の遡及をおこなう。これにより、受精過程における卵装置による、花粉管の誘引機構の進化的多様性を理解する。さらに、両性花獲得後も多様化してきた雌雄の分子間相互作用の場でもある花粉管誘引の分子実態解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
多くの生物では、卵子と精子におけるリガンド-受容体の1対1関係により自他認識がなされ受精が成立する。しかしながら、着生した環境に制限される植物では、自殖と他殖の切り替えが可能な「両性花システム」を繁殖戦略として採用しており、さらに自他認識因子も目まぐるしく変遷していることが明らかになりつつある。本研究では、受精過程の自他認識リガンド-受容体群の新機能創出を担う分子間相互作用を解明すること、双子葉と単子葉クレード間、さらに裸子植物とのゲノム横断的解析による受精シグナル因子の変遷過程の遡及をおこなう。これにより、受精過程における卵装置(雌配偶子)による、花粉管(雄配偶子)の誘引機構の進化的多様性を理解する。さらに、両性花獲得後も多様化してきた雌雄の分子間相互作用の場でもある花粉管誘引の分子実態解明を目指す。 本年度は、被子植物ウリクサを用いて野外集団解析を進めた。その結果、葉緑体DNAマーカーを用いた解析により同種と推定された集団間において、多段階の生殖隔離障壁が存在することが明らかとなった。ウリクサでは受精過程に重要な花粉管誘引物質LURE遺伝子の倍化がみられ、ある集団においてはLUREホモログ遺伝子の置換・欠損がみられた。これらのことから、進化速度の速い受精因子が種分化の原動力となり得ることが示唆された。領域内共同研究として、白澤班とウリクサとその近縁種トレニアのゲノム解析を進めた。 裸子植物ソテツにおいて、精子単離方法とin vitro精子誘引アッセイ系を確立した。その結果、雌性配偶体細胞から分泌性の精子誘引シグナルが存在することが明らかとなった。そして、単離精子を含む雌雄生殖組織特異的なトランスクリプトーム解析を進めた。また、領域内共同研究として、白澤班、赤木班とソテツのゲノム配列分析を進めるとともに、ソテツ精子シングルセルからゲノム解析できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
雌雄の分子間相互作用の場である花粉管誘引の分子実態解明について、研究を計画通りに進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
受精過程における自他認識機構において、シグナル因子の遺伝子重複による倍化と、その後のタンパク質間相互作用の再構築による新機能創出が浮かび上がりつつある。赤木・藤井班との領域内共同研究により、AlphaFold2/AlphaFold-multimerなどのAI構造モデリングによるタンパク質立体構造・相互作用予測と分子動力学的結合シミュレーションを組み合わせて、ゲノムワイドなリガンド-受容体のペアスクリーニング系として分子間相互作用予測モデルの構築を進める。 トレニアの雌性配偶体細胞のRNA-seq解析により、花粉管誘引物質LUREを含む多重遺伝子族の他にも複数の新規シグナル因子候補を見出している。トレニア近縁種であるウリクサにおいてゲノム解析を進めるとともに、野外集団解析を組み合わせることで、シグナル因子群のゲノムワイドな塩基多型解析を行う。そして、ウリクサ野外集団間、近縁植物種間との交雑実験を行う。これらにより、受精因子群における遺伝子多型が種内・種間の受精過程に与える影響を検証する。また、誘引物質・忌避物質といったシグナル因子群と受容体候補群のなかで相互作用する組み合わせを抽出し、生化学的相互作用解析により実証する。さらに、トレニアやシロイヌナズナ、それらの近縁種を用いた超解像顕微鏡法を含むイメージング解析により、機能の異なるシグナル因子の分子ダイナミクスを比較し、時空間的な分子間相互作用とシグナル因子機能の相関を捉える。 また、これまでに候補遺伝子が得られているイネ花粉管誘引物質の機能解析を進める。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)