Project Area | Photonic Computing Highlighting Ultimate Nature of Light |
Project/Area Number |
22H05196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川西 哲也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40359063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
イ ヨウフウ 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00962490)
黄 晴川 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (20979794)
森田 逸郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30630975)
鄭 辰 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (60980068)
坂本 高秀 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70392727)
周 宇 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00907066)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥122,200,000 (Direct Cost: ¥94,000,000、Indirect Cost: ¥28,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥25,870,000 (Direct Cost: ¥19,900,000、Indirect Cost: ¥5,970,000)
Fiscal Year 2023: ¥30,420,000 (Direct Cost: ¥23,400,000、Indirect Cost: ¥7,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥24,050,000 (Direct Cost: ¥18,500,000、Indirect Cost: ¥5,550,000)
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Keywords | 光変調 / 光電気発振 / 光波制御 / 信号処理 / 光伝送 |
Outline of Research at the Start |
極限的な精度と高速性を兼ね備える光波制御とそれを用いた革新的な光演算機能ブロックに関する研究を行う。光通信システム向けに開発されたデバイスを活用し、光波制御精度をさらに高め、さらなる多値化や新奇機能を実現する。また、光変調器=ファイバ=光検出器からなる発振器(光電気発振器)による複雑な信号発生や信号処理の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
極限的な精度と高速性を兼ね備える光波制御とそれを用いた革新的な光演算機能ブロックに関する研究を行った。光通信システムの基本構成は光位相変調と光ファイバ、光子数を電流に変換する光検出器からなるが、各部の入出力に対して特徴的な数学的構造を有する。変調器出力に関しては、光入力は線形性をもつ一方で、変調信号入力に対してはベッセル関数で表される非線形性を有する。他方、光波進行方向に対して位相変調は加法性をもつ。本研究では上記の特徴に着目し、光変調器における光波制御精度をさらに高め、さらなる多値化や新奇機能に向けた研究を実施した。また、光変調器=ファイバ=光検出器からなる基本構成、さらにはこれを帰還ループ化することによる発振器(光電気発振器)による複雑な信号発生や信号処理に向けて基礎的な実験を行った。 光変調の高精度化・多値化と計測センシングへの応用に関しては、昨年度に引き続き、変調精度向上の指標として消光比に注目し、これを安定的に高く保つためのバイアス制御アルゴリズムの改善を進めた。光回路による乗算器を集積光デバイスで安定的に構築するとともに、温度変化・機械振動などの外乱に対する挙動の基礎的評価と、光回路部分、電気回路部分でのエネルギー損失および必要制御精度のトレードオフ関係に基づいて、光信号処理装置の一部として用いる場合の最適化の指針を検討した。光電気発振器のよる信号発生・処理に関しては、時間領域・周波数領域における高精度評価技術および、光波の波長軸および空間軸における多重性を用いた光電気発振器に関する研究を継続した。変調器精度向上に関して変調器内部における電気クロストークの影響を高精度で測定する方法を提案し、その有効性を確認した。また、高精度変調の応用としてFPGAを用いた可変線幅光源に関する研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高精度光変調をベースとした信号処理、精密計測に関する研究を継続した。光電気発振器については基本構成の検討を行った。光変調器の状態を高精度に確定し、これを基準器として電気信号の位相および周波数を精密測定する方法を提案し、著名国際学術会議にて発表予定である。マッハツェンダー型干渉計を光集積回路内に構成したマッハツェンダー型光変調器(MZ変調器)が光通信システムにおいて広く用いられているが、本研究ではこれまでに干渉計の状態を精密に制御することに成功している。今年度はこれまで無視されていた変調器内部での電気クロストークについて着目し、その測定が可能であることを実証した。また、高精度変調の応用として、ノイズ源の研究も継続した。レーザ内で発生する揺らぎを模擬する信号を任意波形発生装置、FPGAなどで発生させ、可変線幅の光 源を実現するものである。より広い範囲のノイズを高精度に発生させること成功し、実際のレーザの信号を精度よく表現できるようになった。こちらも著名国際学術会議にて発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
MZ変調器は電気光学結晶基板に形成された2つの光路をもち、電界を印加することで光位相差の制御を可能とする。オン状態とオフ状態での出力光の比を消光比と 呼び、変調器の性能を表すとともに干渉計のバランスの良さ、精度を示す指標である。通常のデジタル変調では20dB以上あればよいとされているが、アクティブトリミング技術で70dB以上というこれまでの常識を覆すレベルの高消光比を実現している。しかしながら、これまでは電極間の相互作用であるクロストークの影響は小さいものとして無視されてきた。本研究では究極の高精度光波制御を目指して、電気クロストークを含めた変調器のモデル化を進める予定である。高精度光波制御の応用として、レーザ内の位相雑音を模擬する技術の研究も継続する。光波制御の高さを示すデモとしての役割だけでなく、研究のツールとしての基準光源としての活用も期待できる。実際のレーザを使わなくても、その複雑な振る舞いを再現性高く模擬することが可能となる。これにより、レーザカオスなどのフォトニックコンピューティングの基盤となる技術要素の理解が深まるものと考えている。
光電気発振器に関する研究も継続する。回路構成や動作モードの工夫により、レーザの光振幅・位相揺らぎ、及び高周波発振これらの変動は、ピコ秒オーダに迫る時間刻みを持つ超高速現象となる上、かつ、優れた持続性、すなわち秒から数年オーダの半永久的連続発振もできることも特徴的である。近似コンピューティングのための伝送技術については、適切な精度、速度で光波を制御する技術が重要である。種々のトレードオフ関係があるが、これらを解明し、最適なシステム構成実現を目指す。
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