Project Area | Macro coastal oceanography: integrated simulation for the material dynamics from the land through the open ocean |
Project/Area Number |
22H05207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
纐纈 慎也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), センター長 (30421887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 周平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門, 部門長 (30358767)
山本 彬友 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 特任副主任研究員 (30794680)
建部 洋晶 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), グループリーダー (40466876)
長船 哲史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 研究員 (50638723)
土居 知将 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 准研究主任 (70426295)
安中 さやか 東北大学, 理学研究科, 教授 (80620393)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥92,820,000 (Direct Cost: ¥71,400,000、Indirect Cost: ¥21,420,000)
Fiscal Year 2024: ¥20,410,000 (Direct Cost: ¥15,700,000、Indirect Cost: ¥4,710,000)
Fiscal Year 2023: ¥19,890,000 (Direct Cost: ¥15,300,000、Indirect Cost: ¥4,590,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
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Keywords | 海洋循環 / 海陸水・物質交換 / 海洋生態系 / 大気海洋相互作用 / 気候変動 / 淡水循環 / 物質循環 / 沿岸海洋 / 縁辺海変動 / 海洋大循環 / 沿岸・外洋海水交換 / 海洋物質循環 / 将来予測 / データ同化 / 淡水収支 / 気候予測 / 海洋長期変動 |
Outline of Research at the Start |
外洋域を対象とした数値モデルに現れる沿岸からの影響の高感度検出のため、モデルの高度化を行い、海洋の長期シミュレーションの中で海面と沿岸での交換の外洋への影響の分別可能性を高め、沿岸-外洋交換のプロセスをある程度再現可能な沿岸境界条件を組み込む。その実験結果から、沿岸・外洋双方の環境への温暖化を含む長期大規模変動が沿岸-外洋交換を介しどのような役割を果たすかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、粗いモデルで沿岸での水塊変質を模した効果を入れるモデル改修を行うとともに、特に塩分についてはこれをデータ同化手法の一つである4DVARで制御できるような改修を行った。沿岸部の過程を単純に表現するため設定した緩和効果と外洋での観測を結び付ける機能がうまく働くかについて確認を行った。来年度以降、実際に観測合わせ逆推定を行う素地が整った。また、物質循環については、グリーン関数法により溶存鉄を対象として沿岸部からの溶出を最適化したうえで、この効果についてまとめ各沿岸が北太平洋の分布にどのような影響を与えるかについて整理を行った。以上より、データ同化モデルについては精度の高い推定に向けて素地が整ったといえる。 予測モデル研究においては、地球システムモデルによる将来予測実験から、4つのSSPシナリオ全てにおいて河川から海洋への窒素流入が増加し続け、この増加が全球基礎生産の将来予測に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。 モデル、データ同化研究に加え、一般的に陸域影響の大きな縁辺海の解析を進め、特にベーリング海において、その物質循環変動推定の不確実性が高いこと、近年、陸棚域との海水交換と関係している可能性のある急激な亜表層温暖化が観測されたこと、黒潮の水塊変質にかかわる可能性のある亜熱帯モード水の長期変動傾向の定量評価、全球淡水フラックスの11年周期変動の仕組みの理解など、海盆スケール変動と沿岸部変動が結びつく可能性のある現象について洗い出しを行った。これらの成果は各種学会発表、論文として公表されている。データ同化による逆推定や予測モデルの結果における沿岸・外洋の関係性のより広い範囲での評価に向けて素地となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究計画にとって重要な逆推定を行うために最も重要な技術的基盤の整理に当たった。特に淡水循環についてはデータ同化システムに新しいスキームを導入し比較的良好な結果を得ている。次年度にかけてこれをより現実的な観測を取り込んで実施することで粗いモデルと外洋観測がどのように沿岸・外洋を結び付けるかについて示すことができるようになった。加えて、物質循環についても溶存鉄分布について既に沿岸における海底からの溶出をグリーン関数法で推定することはできいる。これを高度化するとともに、初年度に行っていた予測モデルにおける陸域効果を入れた栄養塩の再現実験においても同様に逆推定を試みる準備を進めている。以上の点から、データ同化、予測モデル実験の開発とそれを利用した逆推定の実施にむけ、比較的問題なく進んでいると考える。 並行して既存データの解析を進めている。本来外洋域の変動である亜熱帯域に広く分布するモード水変動の変動だけでなく、縁辺海や比較的沿岸に近い観測などの研究を進め、粗いモデルで再現されるような比較的大規模な場と沿岸変動の関係性を見出すための現象の洗い出し、評価を進めることができた。来年度以降、予測モデル、データ同化の結果を利用して進める素地となっており、解析の面でも順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までは、データ同化の開発、予測モデルの開発、既存データ解析がほぼ並行に進められ、比較的問題なく進行している。来年度以降は、この3つの活動を少しずつ融合して進めることで、データ解析の解釈、現象理解の高度化、予測モデルにおける沿岸など各種効果を効率よく推定するためのデータ同化技術の応用実験などを進める予定である。これら本計画内での融合は、今年度までの成果を踏まえ問題なく進むと予想しているが、特に予測モデルとデータ同化システムの融合については重要な課題ととらえ、特に物質循環について共有の課題を設定することで交流を促進して進める予定である。 本年度は、亜寒帯域に重要な海域であるベーリング海や亜熱帯の西岸境界流である黒潮の変動についての研究を進めている。この点は、領域内での連携につながると思われるので共有して、領域内の連携や公募課題との協力関係を深めたい。 その中で、高解像度モデルや精緻な観測によるより沿岸をターゲットした技術・観測・解析結果を本計画に取り入れる試みを進める。
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