Project Area | Science of active ion-rich liquids |
Project/Area Number |
23H03826
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
芹澤 信幸 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60556885)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥31,980,000 (Direct Cost: ¥24,600,000、Indirect Cost: ¥7,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
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Keywords | 電気化学 / 電解液 / 動的界面 / 電解液組成 |
Outline of Research at the Start |
反応活性イオン(活イオン)を高濃度に含む活イオン液体の機能発現には、活イオンと溶媒分子との組成制御が極めて重要であるが、動的な反応場(界面)では活イオンの濃度分布が生じて局所的に平衡状態とは組成が変化する可能性がある。そこで本研究では、活イオン液体中における動的界面での組成変化を調べるとともに、その過渡的な動的溶液構造が各種反応にあたえる影響を明らかにし、活イオン液体の機能を最大限発現しうる組成設計を提示する。さらに、積極的に界面構造を制御した反応場を対象とした精密電気化学計測によって、特異な界面構造と表面反応機構の相関を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
反応活性イオン(活イオン)を高濃度に含む活イオン液体の機能発現には、活イオンと溶媒分子との組成制御が極めて重要であるが,動的な反応場(界面)では活イオンの濃度分布が生じて局所的に平衡状態とは組成が変化する可能性がある.そこで本研究では、活イオン液体中における動的界面での組成変化を調べ,その過渡的な動的溶液構造が各種反応に与える影響を明らかにすることを目的としている.リチウムイオンを高濃度に含む電解液中において金属リチウムの析出・溶解およびリチウムイオン挿入・脱離型電極の充放電の速度と動的界面での組成変化について,充放電試験および水晶振動子マイクロバランス(EQCM)を用いた解析によって調べた.速い充放電速度では,分極の程度が充電と放電で非対称となり,電極近傍での局所的な溶液構造の変化を反映していることが示唆された.また金属イオンを高濃度に含むイオン液体中で金属の析出・溶解反応をEQCMにより解析すると,反応に伴い電極質量変化を反映する共振周波数に加えて,電極近傍の局所物性を反映する共振抵抗値が変化した.動的界面で溶液組成が局所的にバルク組成とは変化したことに起因していると考えられた. また,活イオン液体中では,通常濃度の電解液系とは異なる機構によって固液界面相が形成することが特異的な反応の進行に寄与していると考えられている.本研究では,積極的に界面構造を制御した反応場を対象とした電気化学計測によって,特異な界面構造と表面反応機構の相関を明らかにすることを目的としている.活イオン液体および予備的に比較的低濃度の金属塩を含む電解液中における固液界面相の形成について,外圏型電子移動反応をプローブとして形成電位や固液界面相の性状を調べた.また,予め固液界面相を形成した電極上では金属析出および溶解の過電圧が増大することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活イオン液体中における動的界面での組成変化の解析について,初年度にあたる2023年度はこれまでに確立しているEQCMを用いた電解液の局所物性の解析手法を活イオン液体中での金属析出・溶解や挿入脱離型電極に適用した.これらの反応に伴い電極質量変化を反映する共振周波数に加えて,電極近傍の局所物性を反映する共振抵抗値が変化したことから,動的界面で溶液組成が局所的にバルク組成とは変化することを明らかにした.また,分極の程度も充電と放電で非対称となり,電極近傍での局所的な溶液構造の変化を反映していることが示唆された. 活イオン液体中での固液界面相の形成と界面構造を積極的に制御した反応場での反応機構の解析について,初年度にあたる2023年度は外圏型電子移動反応をプローブとして形成電位や固液界面相の性状を調べるとともに,予め固液界面相を形成した電極上では金属析出および溶解の過電圧が増大することを明らかにした.一方で,大きい過電圧の印加による初期核生成の解析では,固液界面相の形成と金属析出が競争することで電流挙動が複雑となった.
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Strategy for Future Research Activity |
活イオン液体中における動的界面での組成変化の解析について,電気化学的な解析に分光学的な解析を組み合わせて動的界面での溶液構造を調べるとともに,その過渡的な動的溶液構造が各種反応に与える影響の解明を進める. 活イオン液体中での固液界面相の形成と界面構造を積極的に制御した反応場での反応機構の解析について,電気化学的あるいは還元雰囲気で固液界面相が形成した反応場において,固液界面相を介した電極反応や化学反応のメカニズムの解明を進める.
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