Project Area | Dynamics of social interactions mediated by 'contrarian' in cognitive population biology |
Project/Area Number |
23H03843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮本 健太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20778047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 明明 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (90726556)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥32,110,000 (Direct Cost: ¥24,700,000、Indirect Cost: ¥7,410,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
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Keywords | 逆張り行動 / 社会的メタ認知 / 心の理論 / オンライン行動実験 / 集団行動実験 / 採餌課題 / 集団生物学 |
Outline of Research at the Start |
高度な社会認知能力とメタ認知能力を有するヒトの集団において、コントラリアン戦略の生起に寄与する生体内・環境要因を明らかにするとともに、コントラリアンの有無により集団の安定性が中長期的なタイムスパンでどのように変化するか解明する。他者との情報の共有性や可視性と、コントラリアン戦略生起の有無および集団としての中長期タイムスパンでの利益や平等性との間の関係を解明し、社会学、行動経済学や公共政策学等、人文社会科学分野への波及や社会的応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
健常ヒト成人が同時に採餌探索を行った場合に、同調行動や逆張り行動がどのようにして出現するのか、そのダイナミクスが外部環境の変化に伴ってどう変遷していくのかを、厳密にコントロールされた条件で検証するために大規模同時オンライン行動実験を実施した。具体的には174名の実験参加者に、Web上で同時に2択の報酬選択課題を行ってもらった。課題では、報酬量は試行ごとに変動するほか、それぞれの選択肢を選ぶ人数も変動するので、その両方を考慮して、山分け後もらえる報酬の合計が最大になるような意思決定を求めた。実験の結果、逆張り行動が実際に生じ、加えて、その逆張り行動が環境の変化に応じて発現する可塑的で柔軟なものであることがわかった。また、逆張り行動の程度を定量化するための手法も確立した。 ヒトにおいて、柔軟な逆張り戦略を可能にする脳のメカニズムの研究も進展した。具体的には、自身のメタ認知能力を、他者の知覚成績の予測のために投影して用いる社会的メタ認知能力の神経基盤について、健常ヒト成人を対象にしたfMRI・TMS研究によって明らかにし、前外側前頭葉が社会的メタ認知に基づいた他者の認知成績予測に欠かせない役割を果たすことを発見した。逆張りを実現するためには、他者の保持している情報に関する知識をもとに、他者に自己の内省を投影して、他者の行動を予測する必要があるが、そのために社会的メタ認知の神経基盤である前外側前頭葉の貢献が強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同時に100名以上の参加者が参加するオンライン行動実験は先例が無かったが、本年度の研究期間中に、無事に行動実験システムを構築し、実験を実施することが出来た。現在、計測したデータを用いて、様々な計量的手法を組み合わせて解析を進めている。 ヒトの社会的メタ認知の神経基盤を解明した研究については、成果を論文にまとめて投稿した。現在改稿を経て再度査読中である。
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Strategy for Future Research Activity |
オンライン行動実験の解析を進め、コントラリアン行動が、どのようにして生じるのか、そのメカニズムを明らかにする。 加えて、オンライン行動実験とfMRI計測を組み合わせた実験を開始し、コントラリアン行動生成に関わる脳のメカニズムを解明することを目標とする。
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