Project Area | Integrative bioarchaeological studies on human prehistory in the Japanese archipelago |
Project/Area Number |
23H04846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (I)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長田 直樹 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70416270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝雄 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (20269640)
本郷 一美 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 准教授 (20303919)
寺井 洋平 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 准教授 (30432016)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥74,360,000 (Direct Cost: ¥57,200,000、Indirect Cost: ¥17,160,000)
Fiscal Year 2024: ¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
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Keywords | ゲノム / 日本列島 / 古代ゲノム / 家畜化 / 環境適応 / 動物考古学 / 哺乳類 / 進化 / 考古学 |
Outline of Research at the Start |
本研究計画では,日本列島における人類と環境とのかかわりを明らかにするために,動物相に注目した研究を行う.以下の3つの動物群を中心的対象とする.①人類が作り出した環境に片利共生するコメンサルアニマルとして重要なネズミ類の遺伝的多様性をゲノム解析により調べ,渡来とその後のヒトの往来に伴う遺伝的交流についての推定を行う.②イヌの古代ゲノム情報から,時代ごとのイヌの形態と形質を復元し,その当時の人類との共生関係を明らかにする.③野生イノシシと家畜化されたブタとの関連を,動物考古学的手法や現代・古代ゲノム解析によって明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は多くの動物を対象としたゲノム解析や古代ゲノム解析を行った.主要な成果を以下にまとめる. 1)世界中から集められたハツカネズミ全ゲノム解析を行い,日本列島および中国南部における亜種ゲノムの混合様式について明らかにした.日本列島においては,これまで北海道・東北にcastaneus亜種,それ以南にmusculus亜種が分布していると考えられてきたが,日本海側の個体がよりcastaneus亜種の遺伝的成分が高いことが示された.その他,日本列島の個体において,免疫にかかわる遺伝子やフェロモンの受容体において,castaneus亜種由来のゲノムが有意に多くなっている領域があることがわかった.これは,南方由来のゲノムが何らかの理由で日本列島において選択を受けて広がったせいだと考えられる. 2)沖縄や東南アジア由来の個体のジャコウネズミ全ゲノム解析を行い,1)沖縄の個体は自然分布ではなく東南アジアから渡来したものである.2)移入は一度ではなく,その後も繰り返し起こってきた.ということを示した.ミトコンドリアゲノムの解析では,最初の渡来時期は約3000年前と推定された.成果は次の論文で発表されました. 3)ニホンオオカミと日本犬の高深度ゲノム解析を通して,1)ニホンオオカミは単系統であり,遺伝的に他のオオカミと異なるグループであること.2)ニホンオオカミはイヌに最も遺伝的に近縁なオオカミであること.3)ユーラシア大陸東側のイヌにはニホンオオカミの祖先がもっていたゲノムが含まれていること.などが明らかになった.これらの結果はイヌの起源が東アジアであることをサポートしている.また,縄文時代の犬のミトコンドリア解析も行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画の中心として据えている動物種以外の生物種についても着実に成果が出ており,今後様々な成果について論文発表が可能であると期待することができる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで成果のでたハツカネズミ,ジャコウネズミ,イヌ,オオカミについては,研究を更に進めより詳細な解析によって人とのかかわりを明らかにしていく.これらに加え,ヤマネコ,ラット,イノシシ,ブタなどについても研究を進めて行く.また,公募班と連携し,多くの生物について古代ゲノム解析等を進めていき,領域の発展に貢献する.
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