Project Area | Materials Science of Meso-Hierarchy |
Project/Area Number |
23H04878
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
相良 剛光 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60767292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正規 東京工業大学, 理学院, 教授 (30247217)
阿部 二朗 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70211703)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥138,840,000 (Direct Cost: ¥106,800,000、Indirect Cost: ¥32,040,000)
Fiscal Year 2024: ¥52,260,000 (Direct Cost: ¥40,200,000、Indirect Cost: ¥12,060,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,800,000 (Direct Cost: ¥16,000,000、Indirect Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | メゾヒエラルキー / 分子集合体 / 超分子 / 構造解析 / フォトクロミック分子 |
Outline of Research at the Start |
本学術変革領域では、分子がメゾスコピック領域で階層的に集合したメゾヒエラルキー材料を開発することが一つの主眼となっている。本研究では、メゾヒエラルキー構造の特異な階層性を利用したメカノ機能性材料を開拓することを目指す。階層的な集合構造を形成する分子デザインを最先端の構造解析法によって確立し、蛍光団、フォトクロミック分子などを導入することで、新規光機能性材料を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本学術変革領域では、分子がメゾスコピック領域で階層的に集合したメゾヒエラルキー材料を開発することが一つの主眼となっている。本A03-2班は、メゾヒエラルキー構造の特異な階層性を利用したメカノ機能性材料を開拓することを目指している。1分子の幅しか持たないメカノクロミック蛍光ファイバーに、メゾヒエラルキーの概念を導入し、力に応答して蛍光特性の可逆線形変化、蛍光特性の多段階変化、光応答性等を示すメゾメカノ機能材料を創製する。また、空孔錯体を用いた構造解析法により、分子集合構造変化と蛍光特性変化との相関関係を解明する。さらに新規フォトクロミック化合物を導入することにより機能性を拡張することを最終目標としている。その一方で、領域内で開発されるメゾヒエラルキー物質が生み出す力を可視化するための超分子メカノフォアを領域内に幅広く提供することも併せて目指す。 初年度では、領域内共同研究により、ダンベル状の両親媒性分子が形成する1次元状の超分子ファイバーが示すメカノクロミック蛍光特性を解明した。両親媒性分子の疎水性蛍光団に導入したテトラエチレングリコール鎖の有無で、外部刺激に対する応答性が劇的に変化することが明らかとなり、その原因も明らかにすることができた。一方で、空孔錯体を用いた構造解析法を用いて、A01班で開発されたバルビツール酸誘導体が形成する分子集合構造の解明にも成功した。さらに、新規フォトクロミック機能に関しては、液晶散逸構造の研究基盤となる高速逆フォトクロミック分子の開発を推し進めた。これまでの逆フォトクロミック分子では数分程度要していた熱戻り反応を数秒まで高速化した新規キラル逆フォトクロミック分子の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はダンベル状の両親媒性分子が形成する1次元超分子ファイバーが示すメカノクロミック蛍光特性をメカニズムを明らかにすることができた。大変興味深いことに、テトラエチレングリコール(TEG)鎖を疎水性蛍光団に導入することで、その刺激応答特性を大きく変化させることができた。具体的には、TEG鎖の有無にかかわらず、機械的刺激を印加するとモノマーに近い蛍光色がエキシマー蛍光となる。そして、TEG鎖が導入されていない場合、水を滴下すると、蛍光色が維持されるが、TEG鎖があると元の蛍光色が回復することが明らかになった。領域内共同研究により、この違いが起きるメカニズムを精査することができた。さらに、両親媒性分子だけではなく、疎水性のダンベル状分子でもメカノクロミック蛍光超分子ファイバーを構築できることが確認できた。また、班内で開発されている空孔錯体を用いた構造解析法により、A01班が開発している分子集合体の構造を明らかにすることができた。そして、メゾヒエラルキー材料に今後導入する予定のフォトクロミック化合物の開発も順調に進んでいる。そのため、メゾヒエラルキー構造を構築するにはいまだ至っていないものの、おおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はダンベル状分子の分子構造をさらに改変し、メカノクロミック蛍光特性を示すメゾヒエラルキー構造を構築することを目指す。初年度に疎水性のダンベル状の分子構造でもメカノクロミック蛍光超分子ファイバーを形成できることが示されたため、分子構造に関して、より広範な設計ができるようになったと考えている。空孔錯体を用いた構造解析法に関しても、より適用範囲を拡大できるかを検討する。フォトクロミック化合物に関してもさらなる改良を加え、今後領域内に幅広く提供する。また、本学術変革領域研究で開発される各種メゾヒエラルキー物質はメゾ領域でその階層性に基づく動き、機械的挙動を示すと推定される。そのため、それらの材料が生み出す力を評価・可視化するための超分子メカノフォアの開発も並行して進める予定である。
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