Project Area | Latent Chemical Space Based on Diverse Natural Products for Bio-active Molecular Design |
Project/Area Number |
23H04888
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
大森 建 東京工業大学, 理学院, 教授 (50282819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚野 千尋 京都大学, 農学研究科, 教授 (70524255)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥125,450,000 (Direct Cost: ¥96,500,000、Indirect Cost: ¥28,950,000)
Fiscal Year 2024: ¥21,190,000 (Direct Cost: ¥16,300,000、Indirect Cost: ¥4,890,000)
Fiscal Year 2023: ¥38,480,000 (Direct Cost: ¥29,600,000、Indirect Cost: ¥8,880,000)
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Keywords | 化合物潜在空間 / 分子デザイン / 有機合成 / モジュール型合成 / 機械学習 / ケミカルスペース / モジュール化 / ポリフェノール / フラボノイド / 芳香族ポリケチド / テルペノイド / PKC活性作用 / 機械学習モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、多様な生物活性を示す天然物をモチーフとして、これまでにないユニークな合成化合物のライブラリーを構築し、新たな生物活性の発掘に寄与する。具体的には、多様な構造と各種の重要な生物活性が見出されているフラボノイド系ポリフェノール、ポリケチド芳香族、テルペノイドおよびアルカロイドを中心とした多官能性分子群に焦点を充てる。本計画研究では、さらに化合物潜在空間にて創出された新規デザイン分子の構造を精査し、実空間に投影可能な化合物の選定および逆合成解析・合成を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、1) 特異な連結様式を有するフラバン二量体の合成研究、2)多環芳香族ポリケチド抗生物質の合成研究、3)マイクロフロー法を利用した直鎖型フラバンオリゴマーの効率的合成技術の開発の3点に関し、集中的に検討を進め、ケミカルスペースの拡充を推進した。まず、1)の検討に関しては、前年度にて検討済みのフラバン骨格4位同士の連結方法を適用し、実際に特異な連結様式を有するフラバン2量体であるアビサノールAの合成を行った。モデルとして行ったフラバン単位の二量化実験では、反応点に隣接する位置にある水酸基に特定の保護基を導入すると、カップリング時の立体選択性が向上することを見出した。また実際の天然物の合成に必要な稀少フラバン単位であるアフゼレキンの合成法に関して検討を行った結果、従来、市販化合物から11工程(総収率19%)必要であった合成を、僅か3工程(総収率36%)まで短縮することに成功した。そして、その知見を活かし最終的にアビサノールAの全合成に成功した。2)の検討に関しては、多くのアントラキノン系天然物に共通する骨格の、効率的構築法を見出すことができた。さらにそれらに対する新奇のビシクロ環形成法を見出し、複雑な多環系を構築する手法を見出した。3)の検討に関しては、マイクロミキサを用いたフラバン単位の効率的なオリゴマー化について詳細な条件検討を行い、高収率で活性型多量体を合成することに成功した。 一方、研究分担者(塚野)は、プロテインキナーゼC(PKC)の活性化作用を有する化合物の創製を目指して、機械学習を基盤とした新規骨格の設計、合成と生物活性評価を実施した。本年度はアロタケタール類からの構造の単純化とPKC活性化作用が期待されるジテルペンの合成に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フラバンオリゴマーの合成に関しては、多様な連結様式および多量化度を持つ誘導体について、効率および再現性良く得る手法の確立に成功した。特に特異な連結様式を持つオリゴマーの合成に関しては、実際にアビサノールAの初の全合成に成功した。また、他の類縁体の合成についても着実に成果が得られつつある。またその研究の途上に予期せぬ結果として見出したsulfenate活性種を用いた反応を活かし、不斉中心を持つ二つのスルフィニル基絵を有するスパロキソマイシン類の初の不斉全合成にも成功した。また、アントラキノン構造を基盤とした多環構造の構築にも成功しているなど、ケミカルスペースの拡充を目的とした合成に関して順調に研究が進んでいる。 一方、研究分担者(塚野)の進める研究に関しては、B班(情報科学)の榊原教授らとの共同研究で確立した機械学習モデルを活用して得たPKC活性化作用を有する化合物候補の合成に取り組み、アロタケタールAを合成した。また、同じ機械学習モデルでPKC活性化作用を有すると予測されたジテルペンの合成を検討し、左側フラグメントを合成した。
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Strategy for Future Research Activity |
ケミカルスペースの拡充に向け、さらに多面的な合成方法の拡充と深化を行う。また、合成化合物の生理活性評価や機能評価についても他研究機関との連携を強化する。そして、多数の合成サンプルの供与を通じ有用化合物の発見に繋げる。 また、分担者の塚野は、引き続き機械学習モデルで予測された化合物の合成に取り組む。また、生物活性評価に十分な量のアロタケタールAの合成を実施し、PKCへの競合阻害試験で結合能を評価するとともに、PKC活性化作用を示すか明らかにする。PKC活性化作用を予測されている他の化合物の合成にも取り組み、この機械学習モデルの妥当性を評価する。また、共同研究として、先の機械学習モデルに使用したデータセットを再利用して、構造の自動生成AIと組み合わせることで、PKCの活性化作用を有する新規骨格を持つ化合物を予測し、合成する。
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