Project Area | Shin-biology regulated by protein lifetime |
Project/Area Number |
23H04921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 泰 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80462779)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥130,130,000 (Direct Cost: ¥100,100,000、Indirect Cost: ¥30,030,000)
Fiscal Year 2024: ¥24,180,000 (Direct Cost: ¥18,600,000、Indirect Cost: ¥5,580,000)
Fiscal Year 2023: ¥31,200,000 (Direct Cost: ¥24,000,000、Indirect Cost: ¥7,200,000)
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Keywords | プロテアソーム / タンパク質分解 / タンパク質寿命 / プロテオーム / 液-液相分離 |
Outline of Research at the Start |
プロテアソームは数千種類のタンパク質を時期特異的に分解することで、細胞機能の制御に必須の役割を果たしている。これまで、プロテアソームによるタンパク質分解制御はユビキチン化にのみ焦点が当てられてきたが、非構造領域の有無や細胞内局在など基質タンパク質自体の特徴も重要なファクターであることが近年わかってきた。そこで本計画研究では、質量分析を用いた網羅的タンパク質寿命解析とプロテソーム分解の時空間的な解析により、プロテアソームによるタンパク質寿命制御の動作原理を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(計画1)シャトル分子群によるタンパク質寿命制御:プロテアソームはタイムリーかつ選択的なタンパク質分解によって広範なタンパク質の寿命を決定するが、その過程の詳細な分子機構は未だ不明である。これまで、ユビキチン化基質をプロテアソームにリクルートするシャトル分子群やユビキチン選択的ATPase p97がプロテアソーム基質の選別とプロセシングに関与することを報告してきたが、どのような基質選択性があるのは不明である。本年度はまず、質量分析を用いた高深度比較プロテオーム解析について、データ非依存解析(DIA)法を導入することで、簡便かつ高精度に約9,000種類のタンパク質を簡便に比較定量することを可能とした。次いで、経時的なCHX処理と組み合わせることでMSを用いた網羅的タンパク質寿命計測が可能となった。シャトル分子群(RAD23A/B、UBQLN1/2/4)のsiRNAノックダウンと上記CHX-DIA-MS測定によりRAD23A/B依存的に分解されるタンパク質群を50種類程度同定した。 (計画2)液-液相分離によるプロテアソーム分解制御機構:高浸透圧ストレスやATPレベル低下(ATPストレス)によってユビキチン化基質を含有するプロテアソーム液滴が形成すること、シャトル分子RAD23BとUBQLN2が相分離ドライバーとして機能することを見出している。本年度は、シャトル分子とプロテアソームとの相互作用を破壊する人工抗体を細胞内にインジェクションすることで、プロテアソーム液滴を迅速に破壊する新規手法を開発した。また、高浸透圧ストレスとATPストレスはともにプロテオスタシスを攪乱することが想定されるが、これまでプロテオームレベルでの評価はなされていなかった。そこで、高浸透圧ストレスまたはATPストレスによるプロテオーム変動をDIA-MSで解析したところ、約100種類のタンパク質が急速に減少することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、網羅的なタンパク質寿命計測のためにDIA-MS法を導入し、約9,000種類のタンパク質の量的変動を簡便に測定することが可能となった。また、質量分析サンプル調製についてSP3法を導入し半自動化することで、多検体試料のMS測定も可能にした。確立した網羅的タンパク質寿命計測法を用いて、シャトル分子のノックダウン時やストレス応答時のプロテオーム変動も確認した。一方、様々な領域内共同研究も開始し、これはタンパク質寿命領域に貢献することが期待できる。また、シャトル分子RAD23A/Bについてオーキシンデグロン誘導細胞株を作製し、迅速なプロテインノックダウンが可能となったため、次年度以降の研究に用いる。このように、研究は当初の計画通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(計画1)シャトル分子群によるタンパク質寿命制御:作出済みのRAD23A/Bオーキシンデグロン誘導細胞およびUBQLNファミリーKD細胞を用いて、CHX-DIA-MS法によりプロテオームワイドのタンパク質寿命解析を実施し、情報学と組み合わせることで、基質選択性が如何に生じているか解析する。 (計画2)液-液相分離によるプロテアソーム分解制御機構:高浸透圧ストレスやATPストレス刺激時にDIA-MS法を用いた高深度比較プロテオーム解析を実施し、大規模なプロテオームリモデリングが生じることを見出しているが、どのようなタンパク質グループがこれらのストレスによって分解誘導されるかについて解析する。また、ユビキチンリガーゼのノックダウンライブラリーを用いて、共通のユビキチンリガーゼで分解誘導されるか、基質タンパク質側に共通項が存在するかについても検討し、高浸透圧ストレスおよびATPストレスの文脈依存的デグロンを探索する。
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