Project Area | Extension and validation of unified theories of prediction and action |
Project/Area Number |
23H04978
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
小松 三佐子 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任准教授 (00525545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高司 雅史 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (10598080)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥103,350,000 (Direct Cost: ¥79,500,000、Indirect Cost: ¥23,850,000)
Fiscal Year 2024: ¥19,890,000 (Direct Cost: ¥15,300,000、Indirect Cost: ¥4,590,000)
Fiscal Year 2023: ¥24,050,000 (Direct Cost: ¥18,500,000、Indirect Cost: ¥5,550,000)
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Keywords | マーモセット / ECoG / 皮質脳波 / 能動的推論 / 予測符号化 |
Outline of Research at the Start |
生物の予測と行動を脳が実現する際の情報処理に関わる統一理論を開拓・検証するために、予測情報処理および予測に基づく生成モデルの更新がサル大脳皮質でどのように行われているのかを検証します。(I)感覚情報に基づく予測符号化の脳内メカニズムを検証するための受動的視覚・聴覚刺激提示、および(II)環境への能動的推論を伴う学習課題について、サルから前頭葉を含む大脳皮質広域の神経活動を同時計測して、理論検証および種間比較を通して脳内情報処理の統一的理解を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、時々刻々と入力される刺激に対し、絶え間なく汎化と予測を行い行動を適応させています。これらを実現する過程で脳内では自己組織的に回路の再編が起こっていると考えられ、普遍的計算論的モデルとして「予測符号化」や「能動的推論」などの枠組みが提案されています。近年ではこのようなモデルを機械学習に適用し大規模データ解析に大きな進展がみられています。しかしながら脳内での実装についてはまだ不明な点が多く、とくに全脳レベルで学習前後の回路の更新がどのように行われているかについてはほとんどわかっていません。本研究では、生物の予測と行動を脳が実現する際の情報処理に関わる統一理論を開拓・検証するために、予測情報処理および予測に基づく生成モデルの更新がサル大脳皮質でどのように行われているのかを検証します。(I)感覚情報に基づく予測符号化の脳内メカニズムを検証するための受動的視覚・聴覚刺激提示、および(II)環境への能動的推論を伴う学習課題について、サルから前頭葉を含む大脳皮質広域の神経活動を同時計測して、理論検証および種間比較を通して脳内情報処理の統一的理解を目指します。 2023年度は予測符号化の脳内メカニズムについて解析を深化させ、健常マーモセットと自閉症スペクトラム障害モデルマーモセットでは階層的予測符号化の処理様式が違うことを示唆する結果を得、論文化を行いました。また、能動的推論に関する神経活動を自由行動中のマーモセットから取得するための課題開発を行うとともに、自由行動中のマーモセットから取得した皮質脳波がこれまでの実験環境下で取得された皮質脳波と同等の信号の質を保っていることを検証し、その結果を国際論文誌に投稿中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予測符号化の脳内メカニズムについて、健常マーモセットと疾患モデルマーモセットとの間で処理様式の違いを見出した。また、B02蝦名班との共同研究や、ヒト皮質脳波を用いた研究グループとの共同研究の成果が論文と出版されるなど、計測モダリティ間、種間での比較などを実施し多角的な理解へとつながりつつある。今年度は英国ケンブリッジ大学との国際共同研究も始動し、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続き予測符号化の脳内メカニズムを明らかにするための新規神経活動データの取得、解析の深化を進める。具体的には異なる感覚モダリティ間で予測符号化の処理様式に違いがあるかどうかの検証、高次聴覚予測に関するヒト・マーモセットでの種間比較を進める計画である。さらに、自由行動中のマーモセットには学習課題を行わせ、学習前から後までのデータを同一個体で縦断的に取得する。これによりマーモセット大脳皮質広域での生成モデルが学習の過程でどのように変化するのかを検証することが可能になる。
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