Planned Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
本研究は、「テクノロジー受容かディストピアか」というジレンマを回避しうるポスト近代的自己観を構築する。具体的には、自己=自律的・自足的個人と考える近代的自己観、さらにはその自己観に基づく技術の倫理基準を一旦、非自明視し、新たな集合的自己観(Self-as-We)、ひいてはそれに基づく新たな自由観や技術倫理の構築を志向する。さらに、思考・意識・行為の受動者(ペーシェント)としての「わたし」という個人観(I-as-me)の主張可能性を探索する。これら2つの視座を交叉させ、検討対象であるエマージングテクノロジーの「自己境界侵襲性」の内実を再検討することで、ジレンマ脱出の概念的道筋をつける。