Planned Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
レトロトランスポゾンの悪影響は従来、新規挿入やゲノム不安定性による遺伝子機能異常と考えられてきた。しかし、老化脳や精神・神経疾患患者の脳でRNA発現が亢進し、逆転写によるcDNAがDNAセンサーを活性化し炎症を引き起こす経路が明らかになった。一方で、胎仔期に逆転写酵素阻害剤を用いると、神経幹/前駆細胞の異常や自閉スペクトラム症(ASD)様症状が生じることから、これらのRNAが正常脳発達にも関与する可能性が示唆される。そこで本研究では、レトロトランスポゾン由来RNAを「Co-opt化攪乱RNA」と位置付け、脳発達における正・負の役割をメカニズムとともに解明する。