Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本年度は昨年度より継続している沿岸域のエアロゾル特性導出手法改良に取り組んだ。昨年度の段階において開発したエアロゾル特性導出アルゴリズムに関して、「雲データの識別不良」および「光学的厚さ導出結呆の検証」という二つの課題が残されていた。本年度では、まず、沿岸域における雲データの識別不良を改良すべく、外洋域上空で観測される雲の観測輝度値の波長変化および、沿岸濁水の波長特性を考慮することにより、雲および沿岸濁水域の識別手法を開発した。結果は現在Geophysical Research Letterにて出版許可されている。従来の雲識別手法を改良することにより、沿岸域における大気微粒子エアロゾルの光学的厚さ導出精度をあげることができた。しかしながら、現在導出が行われているエアロゾル特性の検証が必要となる。検証手段として本年度においては、流跡線解析モデルHYSPLIT4(NOAA/Air Resource Laboratory開発)を用いることにより、エアロゾルの光学的厚さ導出結果の検証を行った。検証に用いた沿岸域データは昨年度の研究対象領域であるインド西岸カンベイ湾にとどまらず、インド東部ベンガル湾、ミャンマー南部マルタバン湾のデータも用いた。結果として、流跡線解析による粒子の輸送経路は提案手法により導出されたエアロゾルの光学的厚さの分布特徴によい一致を示し、本研究により開発された提案手法の検証がなされた。また、衛星データを用いたエアロゾル解析に平行して、11乍年度12月に観測をおこなった西部熱帯太平洋域でのエアロゾル観測データの解析を続けた。現地にて行った衛星同期観測結果から衛星導出エアロゾル特性の検証を行い、また、一方で船上観測データ解析結果より、現地特有のエアロゾルの光学特性が得られた。
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