Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
1.京都大学とインドネシア航空宇宙庁によりインドネシア共和国スマトラ島コトタバンに設置された赤道大気レーダー(Equatorial Atmosphere Radar)のデータ解析を行い、対流圏界面領域の物質輸送に重要な役割を果たしているはずである乱流強度の変動の様子を世界で初めて明らかにし、さらにそれを引き起こしている大気擾乱の特定を行った。その結果は、論文リストに示すように2本の論文として発表した。2.ラジオゾンデ搭載用で安価で操作が容易でありながら、鏡面冷却方式という高精度な測定原理を持つ商用水蒸気センサーSnow Whiteについて、これまで2年間の熱帯地域における試験運用の結果を2本の論文にまとめ、Joumal of Atmospheric and Oceanic Technology誌に投稿した(2003年3月現在、2回目の査読中)。また、6月にはキリバス共和国クリスマス島、10月にはスリナム共和国、1月にはインドネシア共和国にてSnow Whiteやオゾンゾンデ等の同時集中観測を行い、成層圏対流圏大気交換過程に関する観測的研究を実施した。現在データ解析を行っている。3.東京大学気候システム研究センター・国立環境研究所所有の大気大循環モデルに使用されている放射コードと、熱帯での大気観測プロファイルデータとを用いて、放射加熱・冷却率プロファイルの算出を行い、熱帯上部対流圏〜対流圏界面領域の放射の観点からの特徴を明らかにした。現在2本の論文を共同で準備しており、1本目は、熱帯上部対流圏の気温微細構造が水蒸気の放射過程によって形成されており、さらにこのことが同領域の東風ジェットの成因となっていることを論じたものであり、2本目は英米の研究者とともに異なる放射コードを持ち寄り放射計算結果の相違を議論したものである。4.論文リストに示すように、前年度までに実施したいくつかの研究を、共同研究者とともにまとめて発表した。
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