Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
[1]家電製品等による正確な近傍曝露評価を可能とする等価磁界ソースモデルの有効性を実験的に検討した。等価磁界ソースモデルと実際の電気機器の磁界分布を比較した結果、双方は良好に一致したことから、等価ソースモデルの有効性を実験的に確認できた。しかし磁気ダイポールモーメントの配置密度によっては、ソースモデル近傍において最大10%程度の誤差が生じることが分かり、観測方法の配置密度の調整が重要であることがわかった。[2]低周波の曝露数値解析に適した解析手法であるSPFD (Scalar Potential Finite Difference)法およびIP (Impedance)法を用いた、数値解析シミュレータの作成および有効性の検討を行った。その結果、双方とも理論値と良好に一致し、シミュレータの有効性を確認できた。また、行列方程式を数値演算する際、IP法はSPFD法に比べて未知数が半分であることから、SPFD法は必要なメモリ容量が小さい上、演算速度が非常に速いことを確認した。これよりリアル人体モデルの曝露解析には、SPFD法はIP法に比べて大変有効であることがわかった。[3]均一人体モデル(直方体、楕円球)および44組織から形成される解剖学的リアル人体モデルの前面に各種波源モデル(ループ、等価磁界ソースモデル)を配置し、50Hzの不均一磁界における人体モデル内の誘導電流をSPFD法を用いて解析した。その結果、均一人体モデルではモデル表面近傍に誘導電流の最大値が生じるのに対し、リアル人体モデルではモデル内部に生じる事を確認した。またICNIRPガイドライン(国際防護指針値)では1cm^2当たりの誘導電流を平均することが記されていることから、平均した場合としない場合の差を検討した。その結果、均一人体モデルでは差が数%であるのに対し、リアル人体モデルでは30-60%の差が生じる上、最大値が生じる箇所が大きく異なることから、リアル人体モデルでは誘導電流の平均が大変重要であることを確認した。次に、一般家庭で広く用いられ、さらにICNIRPの参考レベルを超える大きな磁界を発生するハンドミキサーおよびヘアードライヤーによる曝露評価を、等価磁界ソースモデルを用いて行った。等価ソースモデルを胸部に配置した結果、導電率を0.2S/mに設定した均一人体モデルとリアル人体モデルの誘導電流は、導電率が最大数百倍も異なるにもかかわらず、最大50%程度の差であることを確認した。
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