Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度はミシガン大学にてStern教授のもとで海外研究をした。NAFTA関連の研究を完成させた。Reviseを繰り返し投稿、刊行された。マクロレベルでは観測されなかった経済統合によるTradeDiversion効果だが、われわれの計量分析によれば、NAFTAは産業レベルで効果を分析した。その結果、労働集約的財においてTradeDiversionが生じることが観測された。個人の研究"Comparative Advantage and Geographical Concentration"は比較優位のもとでの地域集中と分散について理論化した。結果、低輸送費では集中、高輸送費では分散、中位輸送費では複数均衡となることが示された。これはKrugmanらの研究結果と対照的である(低輸送費で集中、高輸送費で分散)。私のモデルでは低輸送費では非貿易財がほとんど生じない、また2地域で貿易財の価格はほとんど同じである。このため賃金の差のみが地域の厚生の差になる。この結果、高賃金地域へ集中する。一方で高輸送費のもとでは、多くの財が非貿易財となるため非貿易財の価格差が厚生の地域格差になる。しかしそれぞれの地域は比較優位をもっているため地域によって各財の価格に差が生じる。このため、比較優位を生かして分散が生じる。またKrugmanモデルのように工業労働者と農民と分けるのではなくすべての労働者を同じ条件にすることで、地域別の厚生に注目した。2002年8月1日にこの論文のもとになった論文を貿易理論セミナー(一橋大学)にて発表した。名古屋学院大学の伊沢先生、帝京大学の堀内先生から討論者として有益なコメントをいただいた。
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