Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
前年度の分析器プロトモデルでの実験結果に基づき、分析器フライトモデルの設計・製作を行った。分析器の性能試験、振動試験で浮上した問題点を改善して、衛星搭載用の最終形態を確立させた。分析器の開発はほぼ終了し、その成果を論文に執筆中である。同時に、イオンエネルギー分析器に取り付ける荷電粒子検出器、Micro-channel Plate(MCP)の開発実験を行った。抵抗体アノード両端からの位置検出信号と、飛行時間測定に用いるスタート・ストップ信号の読み出し回路、MCP組み上げ構造を改良を行い、高周波電気信号の電気カップルを軽減し、検出効率を向上させた。この開発についても、論文を執筆中である。衛星上での観測に備えた較正試験を行うに先駆け、膨大な量の実験とそのデータ処理を行うための全自動較正試験用ソフトウェアを開発した。これは、最大7軸までのジンバルを制御し、3台の高圧電源を同士に走査させることで、分析器に対して全方向・全エネルギーを網羅したイオンビームの照射を、シーケンス制御で行うものである。以上より、衛星搭載・観測が可能なイオンエネルギー質量分析器をほぼ完成させ、今後行われる較正試験の準備も終了した。