Project/Area Number |
01010019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 日出夫 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (50013321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国元 節子 微生物化学研究所, 主任研究員 (10161655)
稲葉 実 癌研, 癌化療センター, 主任研究員 (60085636)
小河原 宏 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00097198)
桑野 信彦 大分医科大学, 医学部, 教授 (80037431)
中村 昭四郎 広島大学, 医学部, 教授 (40013304)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥23,000,000 (Direct Cost: ¥23,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥23,000,000 (Direct Cost: ¥23,000,000)
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Keywords | 多剤耐性 / 耐性克服 / 耐性機構 / P糖タンパク / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
多剤耐性の原因であるP糖タンパクを特異的に認識するマウス由来モノクローナル抗体MRK16を耐性癌の診断、治療などの臨床応用に用いるべく、遺伝子工学的手段によってマウスのV領域とヒトのC領域を持つキメラ抗体の作成を試み、MH162抗体を得た。MH162は、ヒトのeffector cellを用いた場合のADCCによる殺細胞効果がMRK16に比べて優れており、ヒトの多剤耐性癌に対する治療剤としても期待が持たれる。ヒトの多剤耐性遺伝子のプロモーター及びエンハンサー領域を単離することに成功した。ハムスター細胞由来のシスプラチン耐性細胞株は、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)活性が著明に上昇しており、GSTーpiのmRNAレベルも数倍に上昇していた。多剤耐性を克服する薬剤として多くのdihy dropyridine系薬剤をスクリーニングし、カルシウム拮抗作用が小さく、P糖タンパクに親和性の高い薬剤を見いだした。これは経口投与でも有効であった。多剤耐性克服剤AHC-52はADMやVCRが効きにくいヒトの胃癌、結腸癌などの培養系においてVCRの効果を大幅に増強した。多剤耐性克服のみならず幅広い抗癌剤の活性を増強させる合成イソプレノイドNー1379は、特にブレオマイシン系抗癌剤に対して強い相乗作用を示した。ペプロマイシン(PEP)とNー1379を1時間作用させただけで、PEPによるDNA鎖切断活性は大きく増強しており、PEPとNー1379との併用によって、ADN耐性性L5178Y細胞を移植してマウスの生存日数を延長した。多剤耐性癌細胞に有効な新規抗癌剤FAD104は糖の2位にフッ素を持ったアンスラサイクリン抗生物質であるが、生体内で代謝を受けたFTーADMがさらに強力な抗腫瘍活性を有することが分かった。微生物の代謝産物をスクリーニングし、新規に、Resorthiomycin,OH-1049物質及びKO3599物質を見いだした。癌遺伝子の一種HrasでトランスホームしたNRK細胞の形態を正常に戻すものとしてアセトキシシクロヘキシミドを単離した。
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