Project/Area Number |
01010022
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
外村 晶 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30013808)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 武貞 大阪大学, 医学部, 教授 (60028496)
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
宮木 美知子 東京都臨床医学総合研究所, 研究室長 (20085624)
池内 達郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (90041839)
岩間 毅夫 東京医科歯科大学, 医学部附属ポリポージス腸疾患研究センター, 助教授 (70114741)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
|
Keywords | 家族性大腸ポリポージス / 5番染色体 / ヘテロ接合型消失 / Kras遺伝子 / 微小核融合 |
Research Abstract |
1)家族性大腸ポリポージス(以下FPCと略す)患者より得たポリープおよび大腸癌の短期培養が完全に成功するようになり、短期培養細胞の染色体分析を行った。大腸癌では5gのほか17p、18および22番染色体の消失、ポリープでは7、12、13および20番染色体のトリソミーと10と22番染色体の消失が比較的高頻度で起こっていることが判明した。また構造異常としては1p、5q、10q、17pの欠失が特異的であった。 2)同様の現象は多型性DNAプローブを用いた特定遺伝子のヘテロ接合型消失の研究によっても裏付けられ、大腸癌では5q21ーq22、17p12ーp13および18q21ーqterにおけるヘテロ接合型の消失が35%から70%以上に生じていることが明らかにされた。現在までの結果を総合すると、FPC遺伝子のヘテロ接合型の消失、高異型性ポリープにおけるKras遺伝子の活性化、17pの欠失による癌化への転換、18、22qの欠失による癌の進行、さらに付加的染色体変異による癌の促進という機序が考えられる。したがって、FPC患者における大腸癌の発生には、網膜芽細胞腫にみられるような単一の癌抑性遺伝子の消失とは異なり、ポリープ発生から癌化、への進行過程において複数の癌抑制遺伝子の消失が必要であることが示唆された。 3)ヒトの5、17、18番染色体をそれぞれ別々に保有するマウスA9細胞株を用いて、微小核融合法により大腸癌細胞に5番染色体を導入し、ヌードマウスに移植したところ、造腫瘍性の低下が認められた。5番染色体に癌抑制遺伝子の存在することが推測できた。 4)ヒトの5番染色体をトランスフェクション法によりDT細胞に導入したところ、Alu陽性のフラットリバータントが得られた。第2回目のトランスフェクションでもAlu陽性のクローンが1個得られたので、現在この遺伝子をクローニング中である。
|