固型腫瘍における血管透過性亢進とキニン産生系の活性化
Project/Area Number |
01010051
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 俊光 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60117348)
山本 哲郎 熊本大学, 医学部, 助教授 (60112405)
加藤 久雄 国立循環器病センター研究所, 室長 (80029959)
川口 隆憲 福島県立医科大学, 講師 (10045685)
鈴木 磨郎 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (90006081)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
|
Keywords | 腫瘍血管 / 腫瘍血管透過性 / ブラジキニン / カリクレイン / 高分子制癌剤 / 油性制癌剤 / 癌の脈管特性 / 癌性腹水 |
Research Abstract |
我々は、腫瘍組織内では血管透過性が亢進しており、その原因の一つがブラジキニン(BK)およびその誘導体^3ヒドロキシプロリルBK(HypBK)によっていることを証明した。そのBKは持続的に産生され同時にキニナーゼによって分解されていることを癌性腹水を用いて証明した。そのときHypBKのNー端からの分解はやや遅いが、Cー端からの分解は速いため両者間に大差はなかった。 次に癌局所ではいかなる機構でキニン産生のカスケードが誘発開始されるかについて研究した。まず、in vitroで培養癌細胞の系にハーゲマン因子(Hf)、プレカリクレイン(PK)、プラズミノーゲン、キニノーゲン共存下にはBKが産生された。このときプラズミノーゲンの活性化が必要条件であることが判明した。つまり、プラズミンの活性化によってHf→PK→キニノーゲンという系が始動するようである。 そこでヒト癌患者の血清中のHfおよびPKが消耗され減少することが考えられたので、29症例についてHfとPKを測定したところ、HfおよびPKとも有意に減少していた。 次に、BKの分解をカプトプリルなどで抑制し、癌局所のBK濃度を上昇させ、血管透過を亢進させた状態で高橋らの抗結腸癌抗体Aー7の放射化物を担癌ヌードマウスで検討した結果、有意に腫瘍集積性は向上した。またこのとき、Aー7抗体の血中半減期も大巾に増大したが、これはカプトプリルによる血圧の低下により生じたものと考えられた。さらにこのモデルでは、アンジオテンシンIIとの併用について実験したところ、所期の成果が得られた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)