Trans-acting遺伝子の機能と細胞のがん化
Project/Area Number |
01010053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
藤永 惠 札幌医科大学, がん研究所, 教授 (10045338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研, 助教授 (90022730)
口野 嘉幸 国立ガンセンター研究所, 生物部, 部長 (60124418)
石井 俊輔 理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 研究員 (00124785)
藤沢 順一 癌研究所, ウイルス腫瘍部, 研究員 (40181341)
半田 宏 東京大学, 医学部, 助教授 (80107432)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥18,800,000 (Direct Cost: ¥18,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥18,800,000 (Direct Cost: ¥18,800,000)
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Keywords | トランス作用遺伝子 / トランスフォーム遺伝子 / がん遺伝子 / トランス型転写調節 / エンハンサー / がん遺伝子の協同作用 / 転写因子 |
Research Abstract |
腫瘍ウイルスのウイルス遺伝子や核内で働くがん遺伝子の示す諸機能のうち、遺伝子発現をトランスに調節する機能の重要性が指摘され、本機能と細胞のがん化との関連が注目されている。本研究では、トランス作用を示す遺伝子およびその標的遺伝子の構造と機能を検討し、細胞のがん化におけるトランス型遺伝子発現調節作用の役割をしらべる。平成元年度に得られた主な成果を述べる。1.アデノウイルス:トランスフォーム能にはE1AのN末端領域も重要であり、E1Aのトランス活性化あるいはトランス抑制能それぞれとトランスフォーム能とは平行関係にないことが確認された。さらにE1Aのトランス作用を受けるE4およびE1Aの調節領域に結合する諸因子が同定され、そのうちE4TF1については60Kdと53Kdの2種の蛋白の複合体であり、両者の複合体形成が転写促進には必要であることが示された。2.HTLV、BLV、LTR内のTax依存エンハンサーに結合する細胞因子をコードする遺伝子がクローン化され、一方Rexについては、splicing自身を制御するのではなくprecursor RNAを安定化し、細胞質への輸送にも作用していることが結論された。3.レトロウイルス関連遺伝子:cーmybのDNA結合ドメイン、転写活性化ドメインおよび負の制御ドメインが同定された。レトロウイルス感染に依存してサプレツサーtRNAの増加が認められるが、この際gagーpol遺伝子の発現が要求され、そのコード蛋白の成熟が必要である。4.がん遺伝子の協同作用:mycとアデノウイルスE1A遺伝子のトランスフォーム協同作用が示されていたが、変異導入実験によって協同作用に必須の領域がしらべられた。5.転写調節の機構:DNAの超らせん化による転写の活性化は、転写開始の複合体形成の最初のステップであるTFIID(TATAボックス結合因子)のプロモーターへの結合が促進されるためであることがinvitroの転写再構成系を利用して明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)