腫瘍特異的MHC非拘束性キラーT細胞のレセプター構造と傷害機序の解析
Project/Area Number |
01015013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 隆 千葉大学, 医学部附属高次機能制御研究センター・遺伝子情報分野, 教授 (50205655)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | キラーT細胞 / 腫瘍免疫 / MHC非拘束性 / gamma delta T細胞クローン / リンホカイン産生腫瘍 / メラノーマ / 遺伝子導入 / 腫瘍増殖抑制 |
Research Abstract |
1.MHC非拘束性のキラーT細胞としてCD4^-CD8^-胸腺細胞のクローンを樹立した。このクローンはリンホカイン依存性で、増殖にIL2とIL3を必要とする。さらにgamma delta T細胞レセプター(TCR)を発現し、広い範囲の腫瘍に対するNK様傷害活性をもつ。一方、抗CD3、抗Thy1抗体で刺激し活性化すると、IL2とgammaIFNを産生し、THー1様のリンホカインパターンを示した。傷害機序に関してはMHCに非拘束性であり、レセプター特異性は未知である。傷害活性にはgamma delta/CD3複合体は関与しないが、抗LFAー1抗体で阻害される。即ち、リンホカイン産生はTCRを介して誘導されるが、NK活性は異なる。 2.B16メラノーマの可溶性抗原で誘導し、増殖するT細胞クローンを得た。独立して2クローンを樹立した。これらはCD4^T増殖性T細胞で、機能的には腫瘍に対するキラーT細胞の誘導を抑制する。クローン由来のmRNAを作製し、アンカーPCR法を用いてTCRの塩基配列を決定した。alpha鎖beta鎖の配列は両クローンともValphallーJalpha281,Vbeta13であり、alpha鎖でのVJ結合のN配列が1つ異なるだけであった。腫瘍を認識する免疫系のレパートリーが限られていることを示唆した。 3.メラノーマ特異的キラーT細胞を誘導しやすくする目的で、リンホカインIL2、IL4、IL6遺伝子を導入したB16メラノーマ細胞を作製した。リンホカイン産生はノザンプロット、生物活性で確認できた。これらでキラーT細胞を誘導させると、ILー2産生腫瘍が著しく強い抗腫瘍活性を誘導でき、IL4、IL6では変化なかった。これはNK様活性が主で、腫瘍特異的細胞は少いと思われる。リンホカイン産生B16をvivoに植えると、IL2産生腫瘍では腫瘍増殖が著しく抑えられ、逆にIL4、IL6産生腫瘍では増殖を著しく促進した。ILー2産生腫瘍により免疫系の賦活化が可能であることを示すと同時にIL4、IL6による著しい増殖効果の基礎を解析する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Publications] MarusicーGalesic,S.,Saito,T.,Tentori,L.,ZunigaーPflucker,J.,Raulet,D.H.,Allison.J.P.&Kruisbeek,A.M.: "A novel gamma delta TCT adds limited diversity to the gamma delta repertoire in adult thymus." J.Immunol.142. 28 (1989)
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