srcファミリー遺伝子fynのリンホーマ並びに正常リンパ球における発現と機能
Project/Area Number |
01015020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片桐 拓也 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70126100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 容子 理化学研究所, 研究員 (90201582)
仙波 憲太郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70206663)
狩野 恭一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80152825)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | srcファミリー / fyn / チロシン燐酸化酵素 / lpr / Tリンパ球 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
srcファミリー遺伝子fynの発現制御機構と、その産物p59^<fyn>チロシンキナーゼの生理的機能を解析し、以下の知見を得た。(1)発現:1prマウスで腫大リンパ節を構成する異常T細胞においては、p59^<fyn>キナーゼの活性が10倍亢進しており、これはfyn mRNAの過剰発現による。正常T細胞におけるfyn mRNAの誘導発現は、細胞内Ca^<++>レベル(up)とcAMPレベル(down)により調節を受ける。この誘導発現がtransientであるのに対し、1prT細胞の発現はconstitutiveであり、発現を継続維持させる内在性因子が作働しているものと思われる。今後、更に両者のメカニズムを解析してfyn遺伝子の発現に関与する調節因子(群)を同定したい。Tリンパ球以外にもB前駆細胞や、TPAにより分化したマクロファージにおいてもfynの強い発現を認めた。こうしたstageー及びlineageーspecificityを有するfyn遺伝子発現の生通的意義の解明も次年度以降の課題である。(2)機能:活性化T細胞においてp59^<fyn>がCーキナーゼによって燐酸化されることが判明し、p59^<fyn>キナーゼも、いわゆるキナーゼサーキットの一員として活性化シグナルの伝達に機能している可能性が示された。p56^<lck>とのアナロジーとして、p59^<fyn>が細胞内で他の分子種(細胞表面レセプター及び基質分子)と機能的複合体を形成しているものと考えられるが、そうした会合分子の候補として、分子量75kdの蛋白分子が見出された。現在、この分子を同定しつつある。今年度、活性型及び不活性型fynDNA更にはアンチセンスオリゴヌクレオチドを作成した。これらを種々の機能を有する免疫系細胞に導入してその機能変化を解析することによって、p59^<fyn>キナーゼのシグナル伝達系における役割を推定し得るものと期待している。新たに作成した活性型fyn遺伝子を導入したトランスジェニックマウスの解析結果からも有意義な知見が得られるはずである。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)