Project/Area Number |
01015023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 孝之 東京大学, 医学部, 助手 (10166671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝井 博四郎 味の素, 中央研究所, 主任研究員
本倉 徹 東京大学, 医学部, 助手 (00192823)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | アクチビンA / マウスフレンド細胞 / HMBA(Hexamethylene Bis acetamide) / トロンボキサン / 巨核球 / 赤芽球 / HLー60細胞 / インターフェロンーgamma |
Research Abstract |
マウスフレンド細胞におけるアクチビンAの分化誘導の作用機構を明らかにするために、まず従来の分化誘導物質として代表的なHMBAの作用と比較解析し、以下の結果を得た。(1)アクチビンAによる分化は培養開始時の細胞密度を上昇させるとその効果が著しく抑制されたが、HMBAによる分化はこのような影響を受けなかった。(2)HMBAによる分化はデキサメサゾンによりほとんど抑制されたが、アクチビンAによる分化は約半分しか抑制されなかった。(3)低濃度のHMBAはアクチビンAによる分化を相乗的に促進した。以上より、本因子の作用経路はHMBAの作用経路とは少なくとも一部において異なるが、この両者は相互作用しフレンド細胞の分化を相乗的に促進すると考えられた。次にアクチビンAが同細胞においてトロンボキサン(TX)の合成能を出現させることを見出した。これはTX合成酵素の誘導によると考えられた。またアセチルコリンエステラーゼ染色の結果から、本因子が巨核球系分化因子として働き、TX合成酵素はその初期段階の形質であることが示唆された。さらにアクチビンAのマウスin vivo効果を解析し、赤芽球系前駆細胞の増殖・分化を促進することも明らかにした。一方、ヒト白血病細胞HLー60細胞においてアクチビンAの遺伝子発現の調節機構を解析し以下の結果を得た。(1)本細胞を発癌プロモーターTPAで48時間刺激するとアクチビンAのmRNAが強く発現された。(2)種々の分化因子のうちインターフェロン(IFN)ーgammaがごく軽度に同mRNAを増加させた。(3)IFNーgammaで前処理したHLー60細胞をTPAやリポポリサッカライド(LPS)で刺激すると短時間で同mRNAが強く発現された。以上より、HLー60細胞におけるアクチビンAの遺伝子の活性化に対しIFNーgammaが重要な働きをしていることが示唆された。以上、アクチビンAの作用・産生機構の解明について本年度の目的を十分達成することができた。
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