ヌードマウス可移植性多剤耐性ヒト腫瘍細胞株を用いた抗腫瘍薬剤耐性克服に関する研究
Project/Area Number |
01015037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 竜三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70093002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 純三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60022802)
竹尾 高明 名古屋大学, 医学部, 医員
伊藤 良則 名古屋大学, 医学部, 医員
谷本 光音 名古屋大学, 医学部, 医員
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 多剤耐性 / 薬剤耐性 / mdr1 / 白血病細胞株 / ヌードマウス / 多剤耐性遺伝子 |
Research Abstract |
がんにおける薬剤耐性の最も重要な機序の一つとして、多剤耐性遺伝子とその遺伝子産物であるpーglycoprotーeinの存在が明らかとなり、これらを標的とする薬剤耐性の克服の可能性が研究されている。我々は自ら樹立した2種のヒト急性白血病細胞培養株(NCOー2、NOMOー1)において、adriamycin(ADR)との低濃度接触から開始し、徐々に濃度をあげることにより同剤に100〜300倍耐性株NCOー2/ADRとNOMOー1/ADR株を分離した。両株ともに、ADRのみならず、他のanthracyclinesやpodophylotoxins、vinca alkaloids、mitoxantrone、actinomycinーD等に交差耐性を示したが、アルキル化剤や代謝拮抗剤とは交差耐性を示さなかった。両株とも多剤耐性遺伝子mdr1が増幅し、pーglycoproteinを細胞表面上に強く表現していた。一般にヒト白血病細胞株はヌードマウスに移植困難であるが、両株はそれらの親株ともどもヌードマウス可移植性であり、世界で最初のヌードマウス可移植性多剤耐性ヒト白血病細胞株となった。ヌードマウスで継代移植可能となった両株ともにmdr1遺伝子のDNAおよびmRNAおよびpーglycoprotein表現は耐性親株とほぼ同一であり、in vitroとin vivoの対応は十分であった。NCOー2およびNCOー2/ADR1×10^7をヌードマウスの皮下に移植し、1,5,9日後に、各種抗がん剤の至適量を静注投与した所、NCOー2/ADRにはADRには無効であったが、topoisomeraseーI阻害剤であるcamptothecin誘導体CPTー11や植物抽出新抗がん剤MSTー16とうは効果を示し、ADR耐性腫瘍にこれらの新開発抗がん剤はin vivoでも有効であることを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)