Project/Area Number |
01015042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐竹 正延 京都大学, ウィルス研究所, 助教授 (50178688)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | 転写制御因子 / エンハンサー / ポリオーマウィルス / 細胞分化 / F9細胞 |
Research Abstract |
ポリオーマウィルス・エンハンサーの一領域DELTA F9ー5000エレメントに結合する因子PEBP4は、未分化なF9細胞にて遺伝子発現抑制性に作用する因子である。本研究はPEBP4を精製することにより、1.その分子的性状、2.認識塩基配列への結合動態、3.細胞分化に伴う遺伝子発現調節における意義を明らかにする目的で行なわれた。 1.塩基配列特異的アフィニティクロマトグラフィーを用いて、PEBP4を部分精製することができた。ゲルろ過・DNA結合部位への架橋実験で、PEBP4は分子量約120KDを示す蛋白である。またPEBP4が何らかの形で蛋白・蛋白複合体を形成するとの予備的データを得た。 2.DELTA F9ー5000エレメント上のPEBP4の認識配列は20bpにも及ぶ。部分精製PEBP4を用いたDNAへの結合実験から、APuCTGPuCCGPyの10bpのモチーフが結合の為の単位となっていることが判明した。モチーフを1個しか含まないPyエンハンサーのAエレメント又はDELTA Trエレメントは、2個含むDELTA F9ー5000エレメント同様F9細胞で遺伝子発現抑制性に作用した。従って10bpモチーフはPEBP4の機能発揮の為の単位であることも示唆された。 3.F9細胞を分化誘導すると、PEBP4と同時にさらに2つの因子PEBP2及びPEBP1が検出された。また分化細胞においては、DELTA F9ー5000エレメントはむしろエンハンサー活性を示した。PEBP2及びPEBP1の認識配列は、PEBP4のそれと一部重複する。PEBP3(PEBP2の脱リン酸型)及びPEBP4の(部分)精製標品を用いて、両者がDELTA F9ー5000エレメントへの結合に関して競合することが示された。普遍的に存在する抑制因子と、分化特異的に出現する促進因子との相互作用を実現した1つの例と考えられる。
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