泌尿器科領域癌の転移予測指標としてのLーmyc遺伝子DNA多型の解析
Project/Area Number |
01015045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 修 京都大学, 医学部・泌尿器科, 教授 (70025584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筧 善行 京都大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (20214273)
飛田 収一 京都大学, 医学部・泌尿器科, 講師 (40165113)
大石 賢二 京都大学, 医学部・泌尿器科, 講師 (10152042)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Lーmyc / RFLP解析 / 転移のしやすさ / 腎細胞癌 / 前立腺癌 |
Research Abstract |
1.腎臓癌患者におけるLーmyc DNA多型と易転移性について 1986年4月以降、腎腫瘍摘除術を受けた腎細胞癌患者のうち無作為に抽出した74例について解析した。このうち22例(30%)が手術時までに遠隔転移を有していた。Lーmyc DNA型の各遺伝型(LL、LS、SS)の分布は腎臓癌全体では17:33:24で健常日本人での分布とほぼ同様であったが、遠隔転移例では2:13:7で、LL型では他2型に比べ有意に低頻度であった。原発腫瘍のgrade、stage、静脈腫瘍塞栓の有無を調べると、LL型で転移を示した2例はこのいずれのパラメーターに関してもhigh riskであったのに対し、LSまたはSS型のうち転移を示した20症例では、13/20がlow grade、8/20がlow stageで、静脈内腫瘍塞栓も15/20で認めなかった。予後に関してはまだ観察期間が不十分であるがLS型の1年生存率はLL型に比べ有無に低かった。 2.前立腺癌患者におけるLーmyc DNA多型と転移及び進展について 1989年6月から11月の間に治療中であった前立腺癌患者57例と、過去に発見されその後病期進展を見ていない前立腺偶発癌患者6例の計63例についてLーmycDNA多型と病期、悪性度、治療後の進展との関係について解析した。63例の各遺伝型(LL、LS、SS)の分布は11:27:25で、健常日本人の分布に比べSStypeが多い傾向が認められ、これは初診時にリンパ節か遠隔転移を有した40例ではその傾向はさらに強くなったが推計学的有意差は低かった。これらの結果から、Lーmyc DNA多型は前立腺癌の悪性進展と関連する可能性はあるものの、予後予測として有用なマーカーとなりうる可能性は少ないと思われた(投稿中)。 3.分子レベルでの解析 Lーmyc遺伝子が単離された肺小細胞癌は、腎細胞癌とともに第3染色体短腕の異常が高率に観察されており、癌抑制遺伝子がこの両者で共通である可能性がある。現在までに20例の腎細胞癌について3番短腕の多型性プローブを用いて解析し、多型を示した9例中4例(44%)に3番短腕のヘテロ接合性の消失を認めている。この4例のLーmyc DNA多型はLL型1例、LS型1例、SS型2例であった。両者の関連については現在も解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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