ヒト唾液腺癌細胞における筋上皮或は腺房細胞に分化誘導する細胞性因子の産生と特性
Project/Area Number |
01015070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 英満 大塚製薬株式会社, 細胞工学研究所, 研究員
由良 義明 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (00136277)
梁川 哲雄 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40136263)
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | ヒト唾液腺癌細胞 / 造腫瘍性ヒト唾液腺介在部導管上皮細胞 / 唾液腺上皮細胞 / 唾液腺腺房細胞 / 分化因子 / 分化誘導 |
Research Abstract |
1.ヒト唾液腺癌細胞(HSG)を5ーazacytidineで処理して、細胞DNAのhyponethylationを惹起することにより分化誘導された筋上皮細胞(HSGーAZA1)と腺房細胞(HSGーAZA3)を無血清培地で培養した上清から、分化因子(AZA1及びAZA3因子)を調製した。分化因子の活性は、in vitro及びヌードマウスで増殖しているHSG細胞の表現形質に及ぼす影響を解析することにより測定した。この場合、筋上皮細胞の表現形質としてはミオシン、ミオフィラメント、オキシトシンレセプター、Sー100タンパクのbeta鎖を、腺房細胞の表現形質としてはアミラーゼを指標として、酵素抗体法、immunoblotting、オートラジオグラフィー或いは免疫電顕法により解析した。また、細胞の超微構造について検索した。分化因子(AZA1及びAZA3因子)は無血清培養上清よりDEAEセルローズクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィー(TSKーGEL Gー3000SWカラム及びハイポアーRPー304 C_4逆相カラム)により精製した。このAZA1因子はHSG細胞を特異的に筋上皮細胞に、AZA3因子はHSG細胞を腺房細胞に分化誘導することが明らかになった。なお、AZA1因子は分子量20,000のAZA3因子は分子量30,000のポリペプチドである。更に、AZA1及びAZA3因子のポリペプチドの一次構造を解析し、また分化因子に対する単クローン抗体を調製し反応系の特性を検索した結果、AZA1及びAZA3因子はTGFーbeta、TNF、ILー6のような細胞分化に働くサイトカインと異なる従来報告されていない新しい分化因子であることを示唆する実験結果を得た。2.HSG細胞の分化・増殖機構について研究する過程で、HSG、HSGーAZA1及びHSGーAZA3細胞はニューロフィラメントを発現し、更にHSGーAZA1細胞はNGFと反応して神経突起様構造物を形成することより、HSG細胞は神経外胚葉起源であることが示唆された。加えて、HSGーAZA3細胞は1alpha、25ーdihydrovitaminD_3により軟骨細胞に分化誘導されることを明らかにしたので、併せて報告する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)