紫外線によるDNA損傷のヒト細胞における修復機構の解析
Project/Area Number |
01015088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 宣之 熊本大学, 医学部, 助手 (50040572)
菅野 辰生 熊本大学, 医学部, 助手 (00211300)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
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Keywords | 色素性乾皮症 / A群欠損因子 / DNA合成酵素 |
Research Abstract |
(1)色素性乾皮症細胞における欠損因子の同定。8群報告されている遺伝的相補性群のうちA群欠損因子(A因子)について有用な知見を得ることができた。仔牛胸腺より部分精製した活性分画をSDSまたはUrea存在下で電気泳動を行い、分画後これらの変性剤を除去して活性を回復させる方法によりA因子の分子量及び等電点がそれぞれ42KDa及び10.1であることが判明した。回収した分画はA群XP細胞に特異的で、現在2次元電気泳動により最終的な同定を行っている。ゲル濾過による主活性は90KDa近傍に認められることから本因子は細胞中では2量体もしくは複合体を形成している可能性が高い。部分精製した標品を注入したA群XP細胞は紫外線抵抗性を獲得し、4HAOO、ソラレンに対しても除去修復可能となった。(2)修復合成に関与するDNA合成酵素(pol)について。紫外線によるDNA損傷の修復合成に関与するpolの種類を明らかにするため、各種polもしくはその補助因子に対する抗体を利用した。正常細胞に紫外線を照射すると核が抗PCNA抗体で染色されるようになるが、XP細胞ではこの反応は起らない。しかし上述のA因子を予め注入しておいたA群XP細胞では核が染色されるようになることからpol deltaの関与が考えられた。また正常細胞の核内へ各種抗体を注入して不定期DNA合成(UDS)に及ぼす影響を調べた所、抗PCNA抗体により注入量に依存してUDSの減少が認められ、高濃度の抗体によりほぼ完全に抑制された。更にこの効果は精製したPCNAにより吸収され、抗pol alpha、betaではほとんどUDSに影響が認められなかったことから、ヒト細胞における修復合成にはpol deltaが主要な役割を果たしているものと結論された。(3)無細胞系におけるDNA修復系の開発塩基配列が既知でしかもピリミジン2量体を分子内の特定部位に1ケだけもつDNA基質の合成に着手した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)