レチノイン酸による分化脱がん時に初期応答する遺伝子群の解析
Project/Area Number |
01015091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
村松 喬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00030891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友村 美根子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (30217559)
松原 修一郎 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60199841)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | レチノイン酸 / 成長因子 / ヘパリン / 分化誘導 / 胚性腫瘍細胞 / テラトカルシノーマ / 胚発生 / 脱がん |
Research Abstract |
胚性腫瘍細胞をレチノイン酸によって分化誘導した時に発現が増強するcDNAクローンMKおよびその遺伝子について研究を進めた。MK遺伝子の5′上流2キロベースをクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子につなぎ、胚性腫瘍細胞F9に導入すると、CAT活性がレチノイン酸によって誘導されるようになった。分化誘導の条件を変えた時に、MK遺伝子の発現は同様に起り、分化の方向性とMK遺伝子の発現の間に強い相関は認められなかった。レチノイン酸を培地から取り除くとMK遺伝子の発現は制えられ、レチノイン酸とレセプターの複合体がMK遺伝子の発現を直接制御している可能性が強い。MKcDNAをbetaーアクチンとウス肉腫ウイルスのプロモーターにつなぎ、L細胞に導入した。すると細胞外にMKポリペプチドが分泌され、MKポリペプチドは分泌タンパク質であることが判明した。また、ヘパリンアガロースカラムクロマトグラフィーの結果、MKポリペプチドはヘパリン結合能があることが判明した。ヘパリンを添加することにより、MKポリペプチドは安定化し、レチノイン酸処理した胚性腫瘍細胞の培地に分泌されていることも確認できた。以上のように、MKポリペプチドは成長因子と類似の性質を示す分子であり、細胞分化の制御に深くかかわっていると示唆された。MKポリペプチドの機能を直接的に検証するために、MKcDNAを導入したL細胞が分泌するMKポリペプチドを、CMセファデックス、フェニルセファロース、ヘパリンアガロースのカラムクロマトグラフィーを組み合せて、タンパク質としてかなりの純度まで精製した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)