癌細胞の浸潤、転移におけるフィブロネクチン分解酵素の役割の解析
Project/Area Number |
01015096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (70112068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安光 英太郎 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10182346)
梅田 誠 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70045996)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | プロテアーゼ / 癌 / 転移 / 浸潤 / 細胞外マトリックス / フィブロネクチン / 細胞接着因子 / 細胞培養 |
Research Abstract |
癌細胞が正常組織に浸潤し、転移するためには、フィブロネクチンなどの細胞外マトリックス蛋白質(ECM)の破壊が必要であると考えられている。本研究では、癌細胞が分泌するECM分解性プロテアーゼの種類と性質を明らかにするために以下の研究を行った。1)基質含有ゲル上でのSDS電気泳動法(zymography)を用いて約30種の正常および癌細胞が無血清培養液中に分泌するプロテアーゼの分子種を分析した。その結果、多くのヒト癌細胞がMr64kとMr90kのlV型コラゲナーゼと、Mr50kのセリンプロテアーゼを分泌することが明らかになった。また、以下の細胞がそれぞれ特有のプロテアーゼを分泌することを見出した。2)ラットの悪性形質転換細胞RSVーBRLの無血清培養液上清からMr57kのフィブロネクチン分解性金属プロテアーゼ(FNase)を精製することができた。FNaseはRSVーBRL細胞が最も多量に分泌する蛋白質であったが、正常BRL細胞の培養液上清には全く検出されなかった。FNaseは不活性な前駆体として分泌されており、PCMB、APMAなどのSH反応試薬やトリプシンの処理によって活性化された。活性化したFNaseはフィブロネクチンに加えてラミニンを強く分解した。部分的なアミノ酸配列の分析から、この酵素はヒトのストロムリシンと同一かあるいはそれに関係するプロテアーゼであることが明らかになった。3)ヒト直腸癌細胞CaRー1の無血清培養液上清から新種の低分子量金属プロテアーゼ(matrin)を単一に精製した。精製酵素は不活性前駆体であり、APMA、PCMB、トリプシンで活性化された。活性酵素はフィブロネクチン、ラミニン、lV型コラーゲンを分解したが、l型およびlll型のコラーゲンは分解しなかった。N末端アミノ酸配列とアミノ酸組成の分析から、この酵素はcDNAの解析からその存在が予想されているプロテアーゼ、PUMP1、と同一の酵素と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)