Project/Area Number |
01015102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
勝木 元也 東海大学, 医学部・DNA生物学教室, 教授 (20051732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 潔 東海大学, 医学部・微生物学教室, 助手 (70176014)
斎藤 温彦 東海大学, 医学部・DNA生物学教室, 助手 (30215529)
木村 穣 東海大学, 医学部・DNA生物学教室, 助教授 (10146706)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥10,800,000 (Direct Cost: ¥10,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥10,800,000 (Direct Cost: ¥10,800,000)
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Keywords | トランスジェニックマウス / ヒトHーras遺伝子 / 個体発癌 / 点突然変異 / PCR / オリゴヌクレオチドプローブ / 血管内皮腫 / メチルニトロソウレア |
Research Abstract |
1.研究の目的 本研究は、ヒトのプロト型および活性型オンコジーン導入トランスジェニックマウスによる個体発癌の解析を目的とする。 2.研究の成果 ヒトHーras遺伝子導入トランスジェニックマウス3系統を確立したところ、これらすべての系統から高頻度に血管内皮腫が発生した。そこで、癌化した細胞からDNAを抽出し、PCR法でコドン12番および61番を含む塩基配列をそれぞれ増幅した後、それぞれのコドンに1塩基変異をもつオリゴヌクレチオド(19塩基対)プローブでハイブリダイゼイションを行ない導入遺伝子の活性化を調べた。その結果、すべての血管内皮腫で61番目のコドンがCAGからCTGに変異していることが見出された。一方、正常細胞には、変異は見出されず、マウスのHーrasにも、腫瘍と正常とを問はず変異は見出されなかった。 ヒトHーras遺伝子導入トランスジェニックマウスは、血管内皮腫の他に、皮膚乳頭腫、リンパ腫、肺および副涙腺腺腫を発症する。このうち、4例中2例の皮膚乳頭腫で12番目のコドンGGCがGTCに変異していることが確認された。 次に、アルキル化剤であるメチルニトロソウレアを腹腔内に1回投与したところ、約2週間後から皮膚乳頭腫および前胃乳頭腫が発生し、すべての乳頭腫において、導入遺伝子ヒトHーrasの第12番コドンに変異を認めた。しかし、第61番コドンおよびマウスHーras遺伝子には何ら変異が認められなかった。 以上のことから、ヒトHーras遺伝子は点突然変異を起して活性化すると、その活性化の種類によって組織特異的発癌を促すことが示唆された。今後は、発癌のメカニズムについて検討を加えたい。
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