Project/Area Number |
01015118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴尾 隆 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00012667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 洋文 癌研究会癌化学療法センター, 基礎研究部, 研究員 (00189614)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥13,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥13,000,000 (Direct Cost: ¥13,000,000)
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Keywords | 抗癌剤 / 抗癌剤耐性 / ビンクリスチン / アドリアマイシン / モノクローナル抗体 / 耐性タンパク / 耐性遺伝子 / カルシウム拮抗薬 |
Research Abstract |
本年度はPー糖蛋白質の正常細胞における機能と、抗癌剤膜輸送系における機能の研究を行った。またPー糖蛋白質に対する抗体、遺伝子を用いた、特に固型癌での診断、治療実験を行った。 これらの研究に対し以下の成果を得た。 1.ベラパミールのホトアフィニティアナログを用いた研究で、Pー糖蛋白質はベラパミール等耐性克服に有効な薬剤の膜での主要な受容結合蛋白であることが判明した。また膜を用いた研究から、ビンカアルカロイド、アンスラサイクリン等の受容結合蛋白質であることも判明し、これら薬剤のPー糖蛋白質を介しての膜輸送の分子機構が一部明らかとなった。内在性の物質としては主にある種のステロイドホルモンがPー糖蛋白質に結合することが判明し、蛋白の生理機能に示唆を与えた。 2.Pー糖蛋白質に対する抗体MRK16はヒト白血病、リンパ種の抗癌剤に抵抗性をもつ培養株細胞に反応する。また遺伝子プローブpCA12ー2を用いた診断では、未治療の胃癌の移植系株、あるいは新鮮手術標本にも約70%の頻度でPー糖蛋白質mRNAが陽性であることを見出している。治療をうけていない胃癌にPー糖蛋白質が存在することを示すものである。胃癌が化学療法に抵抗性であること、日本において最も頻度の高い癌であることを考えた時、今後は治療法を含めた研究が必要である。 3.耐性化した癌に対しては、カルシウム拮抗剤様薬剤、あるいは抗体を用いた治療が実験癌において有効性を示す。特に抗体MRK16と17はアドリアマイシン耐性ヒト卵巣癌移植マウスにおいて治癒を含む強い効果を示した。今後はこれら物質を用いた前臨床薬理研究が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)