Project/Area Number |
01015125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
田矢 洋一 国立がんセンター研究所, 生物学部, 主任研究官 (60133641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 暹 国立がんセンター, 生物学部, 部長 (20076970)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / RBタンパク質 / Nーmyc / cdc2キナーゼ / タンパク質リン酸化 / 細胞周期 / カゼイン・キナーゼII |
Research Abstract |
Nーmycあるいは癌抑制遺伝子RBタンパク質と特異的に結合するタンパク質類の単離を目指していたが、RBタンパク質にはcdc2キナーゼでリン酸化されそうなアミノ酸配列の部位が10ケ所以上に存在するし、Nーmycタンパク質の中央部にはカゼイン・キナーゼIIでリン酸化されそうな領域が存在するので、これらの部位が本当にそれぞれのキナーゼでリン酸化されるか否かを先ず試してみた。cdc2キナーゼは細胞周期においてG_1期からS期への進行とG_2期からM期への進行の引き金を引く、大変に重要なリン酸化酵素である。実験の結果、RBタンパク質の少くとも8ケ所が、マウス乳癌細胞FM3Aから高度に精製したM期特異的cdc2キナーゼによってin vitroでリン酸化されることを見出した。さらに、G_1/S期特異的cdc2キナーゼによってはもっと強くリン酸化されることもわかった。G_1/S期特異的cdc2キナーゼはM期特異的cdc2キナーゼとは少し異ったアミノ酸配列の部位でRBタンパク質をリン酸化するのかも知れない。RBタンパク質には実際それらしき配列が多数存在する。この実験結果から推測されることは、RBタンパク質は他のタンパク質と特異的に結合して、本来、DNA複製や有系分裂を抑える働きをしているのではないか、そして、cdc2キナーゼでリン酸化されると他のタンパク質との解離が起こり、DNA複製や有系分裂の抑制が解除され細胞増殖の方に向かうのではないかということである。この仮説を証明するために、RBタンパク質と特異的に結合するタンパク質類の検出・同定を進めつつある。他方、Nーmycタンパク質の中央部がin vivoでもin vitroでもカゼイン・キナーゼIIでリン酸化されることも明らかにした。
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