Project/Area Number |
01015129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
宮木 美知子 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学, 室長 (20085624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 まどか 東京都臨床研, 腫瘍生化学, 研究員
田中 貴代子 東京都臨床研, 腫瘍生化学, 研究員 (40124474)
岡本 美恵子 東京都臨床研, 腫瘍生化学, 研究員 (80152354)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 大腸癌 / 大腸腺腫 / 家族性大腸腺腫症 / 癌抑制遺伝子 / 対立遺伝子欠失 / RFLP / 染色体移入 |
Research Abstract |
既に我々はFAP患者の大腸癌および一般大腸癌において、FAP遺伝子の存在する染色体の5qだけでなく他の染色体にも高頻度の対立遺伝子欠失を見いだしており、これらの染色体欠失部位に大腸癌に関連する癌抑制遺伝子の存在が推測される。今回、対立遺伝子欠失がポリープから癌への進行にどのように関与するかを明らかにするため、38名の家族性大腸腺腫瘍症患者に発生したポリープ111検体、進行癌24検体について、染色体5q、17p、18、22qの対立遺伝子欠失を解析した。病理組織診断に従ってポリープを分類し、DNA解析と病理診断の結果を対比させたところ、対立遺伝子欠失とポリープの異型度との間に密接な関連が見いだされた。低異型性腺腫では欠失は殆ど検出されないのに対して、高異型性腺腫では5qの欠失が認められ、粘膜内癌では5qと17pの欠失が検出された。進行癌においては、5q、17pと共に18、22qの欠失が高頻度で認められた。以上の結果から、FAP遺伝子のヘテロ接合性消失によって腺腫の異型度が高まり、17pの欠失によって癌への転換が起こり、18、22qの欠失により癌の進展が促進される機序が考えられる。 また、腫瘍の解析と家系分析を同時に行った結果、正常な親から受け継いだ方の第5染色体長腕が失われている例が見いだされた。このことは、FAP遺伝子が腫瘍において不活化されていることを示唆する。 そこで、ヒト大腸癌細胞株へ癌抑制遺伝子の存在が予想される正常ヒト単一染色体を微小核融合法により移入し、大腸癌細胞の増殖能に及ぼす影響を調べた。得られた5番染色体移入細胞は、偏平な形態を示し、増殖速度は非移入癌細胞の1/2〜1/3に、軟寒天内コロニー形成能は非移入癌細胞の0.05〜3.8%に低下していた。ヌードマウス皮下での造腫瘍性も消失した。以上の結果から、5番染色体に大腸癌細胞の癌形質を抑制する遺伝子が存在することが強く示唆される。
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