Project/Area Number |
01300014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
広領域
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
伊勢村 護 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (40028197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正男 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (60110516)
東 市郎 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (50028411)
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (70112068)
藤本 大三郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (40004288)
関口 清俊 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (50187845)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | 細胞接着 / RGD配列 / フィブロネクチン / 癌転移 / 胎盤 / プロテオグリカン / 細胞外マトリックス / 組織修復 |
Research Abstract |
RGD配列が細胞接着に関係しているRGD蛋白質およびそのレセプタ-の機能と臨床応用に関する研究を進めた結果得られた主たる新知見を次に挙げる。1.羊膜上皮細胞のフィブロネクチン表面への接着にはRGD配列関与の接着機構が働いていることがわかり、胎盤から生成したフィブロネクチン結合性プロテオグリカンが、羊膜上皮細胞のフィブロネクチン表面での細胞進展を促進する活性をもつことが明らかになった。この結果は、細胞外マトリックス成分が複合的に細胞活動の制御に関与していることを示すものである。2.RGDシグナルを遺伝子工学的にプロテインAに移植することにより、人工的な細胞接着蛋白質が作製できることがわかった。この方法により、本来の生理活性と細胞接着活性を併せもつ多機能細胞接着分子の作製が可能となった。3.ヒト血漿中に新しい細胞接着性免疫グロブリンMが存在することを明らかにした。この蛋白質の細胞接着活性はRGDペプチドにより阻害されるので、新しいRGD蛋白質であると考えられる。4.フィブロネクチン、ラミニンを分解する酵素を癌細胞培養上清から分離、精製し、その性質を明らかにした。癌の転移にも関与する新しい細胞外マトリックス分解酵素と考えられる。5.RGD配列を繰り返し単位にもつポリペプチドは、実験転移系および自然転移系において、癌細胞の肺転移を顕著に抑制した。また、このポリペプチドは癌細胞により惹起される血小版の凝集を阻害した。これらの結果は、癌転移阻止に有効な薬剤の開発が可能なことを示唆している。6.角膜上皮細胞層の修復にフィブロネクチンが有効であること、修復過程にある上皮細胞はフィブロネクチン受容体を発現していることなどの新知見が得られた。以上のように、数多くの新知見が見られ、臨床的応用への道が拓かれるなど、本研究の当初の目的をほぼ達成することができた。
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