Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究は1980年代以降における東北地方の産業構造の変動に伴う若年労働力構成の動向を実証的に把握することを目的としたものである。東北地方では、農村工業導入促進法や高度技術工業集積地域開発促進法を直接的な契機として、電気機械・一般機械を中心とした企業の新設ならびに規模拡大が急速に進展している。今日では、全国でも有数の技術先端型業種の集積地域が福島県,山形県,宮城県を中心に形成されつつある。一方、卸・小売業やサ-ビス業といった第三次産業も総生産額において着実な伸長をみせている。こうした東北地方における産業の構造的な転換は労働力の需給関係ならびに労働力構成にも変動をもたらしている。なかでも,大学卒(短大,高専卒含)、専修・各種学校修了者,高校卒者の三層構造からなる若年労働力市場に大きな影響を与えている。 本年度は、上記の諸課題を全体的に把握するため、前年度に続いて以下の作業を重点的に調査研究した。1,第二・三次産業を基軸とした産業構造の変動に関する統計的分析。2,技術先端型業種を中心とした誘致企業の業種別構成ならびに地域別分布構成。3、東北六県各県,都市ならびに市町村別の労働力需要構造と地域社会の労働力市場との関連である。項目1,2に関しては主に官庁(行政)統計資料そして項目3に関しては事例研究との並行作業に依拠して把握に努めた。事例研究の対象地は福島県白河市を拠点にしながら、隣接する中島村,東村さらに泉崎村,表郷村を含む一帯である。白河市は東北地方で最も早くから技術先端型業種の企業誘致に鋭意取り組んできているが,近年は周辺の地域へとその拠点が移動してきている。これに伴い、若年労働力の需給構造も広範な地域を単位に複雑な様相を呈してきていることに注目したい。さらに,中・高年層にも地元での就業機会が着実に増加する傾向にあり、この地域の経済構造にも大きな影響を与えていることが指摘できる。
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