Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
近年,中層大気力学に果す重力波の作用の重要性が強く認識されてきているが,現実大気中の重力波に関する観測的裏づけはまだ乏しく,様々な領域や状況に応じた観測・統計が必要である. 本年度は,実測のデ-タを用いて以下の2ツのテ-マに関する統計解析を行なった. 1.MUレ-ダ観測に基づく研究 1990年4月2日から同6日にかけての100時間連続観測を行なった.この期間は,日本上空を移動性高低気圧がちょうど一波長ぶん通過した状況に対応していた.この期間のデ-タ(東西風,南北風,鉛直流,およびラジオゾンデ観測による気温)のスペクトル解析を行ない,時間スケ-ルとして,(1)傾圧不安定波による約4日周期,(2)地形性重力波と考えられる周期数時間以下の擾乱,に加えて(3)周期約10時間の規則的な水平風振動,を検出した.この3番目の擾乱の力学的成因は現在のところ不明であり,解析を続行中である. 2.衛星オゾンデ-タによる赤道ケルビン波の研究 赤道域中層大気に卓越するケルビン波は内部重力波の一種であり,その力学的特性は理論的に良く知られているが,上部成層圏では従来直接の観測が殆ど無い。この研究では,気象衛星ニンバス7号のオゾンデ-タを用い,オゾンが光化学過程を通じて気温と強く結びついていることに着目し,ケルビン波の検出とその季節変化・年々変化の統計解析を行なった. さらに,過去の解析をも含めた,内部重力波の統計的まとめをも行ない,新しいCIRAモデルの一節を執筆した.
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