Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Research Abstract |
本年度は,地震トモグラフィ技術の実用化の問題点及び地殻物性の高精度測定を重点に研究を行った.波線論に基づくインバ-ジョンでは、屈折波線を用いたART系の方法による理論研究並びに室内模型実験による透過波の伝播挙動に関する基礎研究を行った。その結果地下のインバ-ジョンに固有な測定系の制限の問題,波の屈折を考慮したインバ-ジョンそのものにも有限波長を用いた探査ゆえの限界,等の存在が明らかになった.一方波動の現象を利用した回折トモグラフィの研究では,インバ-ジョン手法を数理的に攻究し,シミュレ-ションによってその有効性を検討した。更にこの方法で最も問題とされていた散乱場の抽出では,測定デ-タの編集によって,平面波の入射と同等の理論を適用する方法を考案した.この方法によって,回折ジオトモグラフィは実用化に大きく前進したといえる.また,これらの手法の検証に当たっては透過波を用いた室内模型実験を用いたが,研究の過程で実験手法の確立が図られるとともに透過波の基本的挙動を解明することができた。 一方、地殻物性の高精度測定では,探査技術で測定される物理デ-タと地殻の挙動を律しているより本質的な地殻の物理値を解明するための基礎デ-タを取得した.まず,地殻の不均質性あるいは水分の影響にともなうP波,S波のレスポンスの高精度測定技術の開発とそれを用いた地殻の異方性の基礎研究を行った.その結果フラクチャ-等を含む岩石の異方性に関し、従来にはない新しい情報が得られる可能性のあることが示唆された。次いで地殻に関する基礎デ-タを整備することの必要性から岩石のスペクトル測定の研究を行った.まず,フ-リエ変換赤外分光光度計を用いたデ-た測定の結果,2ー20μmに及ぶ広帯域でのスペクトル特性の計測には,再現性の上からも測定そのものの確立が必要で,特に試料の状態等に格段の注意を要することがわかった.
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