Project/Area Number |
01460268
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物物性学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川戸 佳 東京大学, 教養学部, 助教授 (50169736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 万喜洋 東京大学, 理学部, 助手 (00192659)
三谷 芙美子 慶応大学, 医学部, 助手 (60041852)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥7,400,000 (Direct Cost: ¥7,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
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Keywords | Pー450 / 副腎皮質 / ステロイドホルモン / 回転運動 / コレステロ-ル / ミトコンドリア / ミクロソ-ム / 人工再構成膜 / P-450 |
Research Abstract |
(1)副腎皮質細胞に於て、ステロイドホルモン合成反応の各種中間状態におけるPー450の動的存在状態の変化を解析した。牛副腎皮質から精製したadrenodoxin、adrenodoxin reductaseなどを、あらかじめadrenodoxin、adrenodoxin reductaseを取り去った副腎皮質ミトコンドリア内膜に加えて,コレステロ-ル結合型Pー450(SCC)との相互作用を調べた。adrenodoxinを加えるとPー450の運動性が上昇するが、ここにreductaseをくわえるとPー450の運動性は低下する、これはPー450(SCC)がadrenodoxinーadrenodoxin reductaseと短寿命複合体を作った結果である。これは昨年に得た結果とあわせることにより、ミトコンドリアにおいて、コレステロ-ル結合型Pー450(SCC)はPー450(SCC)ーadrenodoxinーadrenodoxin reductase三者複合体を作り電子が伝達され、コレステロ-ルがプレグネノロンに変換されるとこの三者複合体は解離する。これはコレステロ-ル非結合型Pー450(SCC)が他の蛋白と低い接着性しか持たないせいであろう。このようにしてうまく電子伝達のスイッチがONーOFFされている。 (2)ラット肝臓ミクロソ-ムから精製したPー450MC、Pー450PB、epoxide hydrase、をPC/PE/PSからなる脂質二層膜に組み込んだ再構成膜を作成して相互作用を調べた。epoxide hydraseの抗体を加えるとPー450MC、Pー450PBの運動性が大きく減少し、両Pー450ともepoxide hydraseと一時的な複合体を作り基質のやり取りをしていることがわかった。 (3)牛副腎皮質から精製したPー450(SCC)、Pー450(11β)、Pー450C21、Pー45017α、adrenodoxin、adrenodoxin reductase,NADPHーcytochrome Pー450 reductaeなどをPC/PE/PSやPC/PE/CLからなる脂質二層膜に組み込んだ再構成膜を作成し、各種Pー450の分子運動や上に述べた他の各種蛋白質との相互作用の違いを測定して電子伝達相互作用などのしくみを解析した。Pー450C21はNADPHーcytochrome Pー450 reductaeと短寿命複合体を作ることを見いだした。またPー450(SCC)とPー450(11β)が一時的な複合体を作り、そのほうがadrenodoxinからの電子伝達効率がよいという結果を得た。Pー45017αは他のPー450と比べて最も集合体を作りにくく、単独でよく運動していることがわかった。 (4)再構成膜を用いた実験から、Pー450のヘム面が膜面から傾いている角度は各々55度(Pー450PB)、48度あるいは62度(Pー450MC)、38度もしくは78度(Pー450SCC)であることが分かった。
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